2020-01-01から1年間の記事一覧

今年を振り返って

今年見た映画の中からお気に入りベスト10を、観賞順に。▼リンドグレーン(感想)▼ロニートとエスティ 彼女たちの選択(感想)▼37セカンズ(感想)▼恐竜が教えてくれたこと(感想)▼アドリフト 41日間の漂流(感想)▼イップ・マン 完結(感想)▼幸せへのまわ…

年末の記録その3

毎年年末の買い出しに行くオライはすぬまにて、東金のタイ料理屋さんが出店していたのでお勧めという焼き鳥弁当(ガイヤーン&カオニャオ)を買ってみたところ、鶏もモチ米も美味しかった。隣の店のいつものイワシ天はいつもの美味しさ。 大晦日は私の唯一の…

私をくいとめて

映画はみつ子(のん)が「隣の人」に「よろしく頼みます」と言うのに終わる。これは自分自身(=A)にしか頼ってこなかった主人公が他人を頼りに出来るようになるまでの話である。頼り合うことの出来るまっとうな関係が作中では横並びでもって表され、彼女が…

ケリー・ライカート特集

下高井戸シネマにて開催されたケリー・ライカート監督特集で3作を観賞。 ▼オールド・ジョイ(2006)冒頭、縦列駐車した一台から降りたマーク(ダニエル・ロンドン)が曇天を背に歩いてくる画がなぜだか素晴らしかった。ライカート監督の映画は縦や横がはっき…

年末の記録その2

長らく私の両親に会っていないからどうだろうとの同居人の提案で、名駅でクリスマスプレゼントを渡して話すだけの帰省。新幹線はがらがらだった。解散後、大須観音脇にオープンしたての「昔の矢場とん」でランチ。小学生のころ給食で味噌カツが出るとタレを…

クローゼット

今年最後を飾る韓国映画として充分満足。そんなに甘くないぞと若干の不満を抱きつつも、ハ・ジョンウ演じる悪い大人がヒーローになるまでの物語を胸熱くして見た。オープニング、運転席の父親がサングラスを外すと娘の方が目を閉じ視線が合うことはないとい…

年末の記録その1

同居人の誕生日に私が作ったごちそうは牛バラの角煮、ブロッコリーとれんこんとゆで卵と海老とナッツのサラダ、ブロッコリーの茎と人参のクリーム煮・プラレールマカロニ入り。テーブル一杯のつもりが貧乏性ゆえか全然一杯にならなかったけど、どれも美味。…

マリアンの友だち/タイムズ・スクエア

特集上映「サム・フリークス Vol.10」にて二作を観賞。これまで見てきたこの企画のうち今回ほど、こんなにも同じ要素が被りながらこんなにも扱いによりそれらの意味合いが違ってくるという二本立てはないと思った。それでいて根っこは同じ。毎度のことながら…

週末&平日の記録

板橋区立美術館にて開催中の「だれも知らないレオ・レオーニ展」。駅から美術館まで初めての道のりを歩くのがまず楽しい。展示の内容も素晴らしかった。絵が上手いのに加えて、インプット、興味の幅、いやどんな言葉もそぐわないような吸収力がすごい。 冬ア…

最近見たもの

▼また、あなたとブッククラブでオープニングは仲間を紹介するダイアン・キートンのナレーション、最初のジェーン・フォンダの登場カットに気持ちがあがる。「お金持ち」で「男女の恋愛をよきものとする」四人の話だけども、アンディ・ガルシアの「君のファー…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ベネズエラ

ラテンビート映画祭2020のオンライン配信にて観賞。2020年ベネズエラ・イギリス・ブラジル・オーストリア制作、アナベル・ロドリゲス・リオス監督。ベネズエラ最大の油田マラカイボ湖に浮かぶ小さな集落、コンゴ・ミラドール。この村の話をしよう…との女の声…

家庭裁判所 第3H法廷

ラテンビート映画祭2020のオンライン配信にて観賞。2020年アメリカ・スペイン制作、アントニオ・メンデス・エスパルサ監督。 「国の正義は弱者の声に表れる」とのジェイムズ・ボールドウィンの言葉に始まるドキュメンタリー。米フロリダ州の裁判所、主任裁判…

The Fight

True Colors Film Festivalのオンライン上映にて観賞。2020年アメリカ制作、エリス・スタインバーグ、ジョシュ・クリーグマン、エリ・デスプレス監督。アメリカ自由人権協会(ACLU)がトランプ政権相手に起こしてきた多くの訴訟のうちの4件を通じて弁護士の…

Listen

True Colors Film Festivalのオンライン上映にて観賞。2020年ポルトガル・イギリス制作、アナ・ロッカ・デ・スーザ監督。映画はごく普通の朝に始まるが、まずロンドンに暮らすこのポルトガル人一家が困窮していることが見えてくる。ゼロ時間契約で貯木場で働…

燃ゆる女の肖像

エロイーズ(アデル・エネル)いわく「一人は確かに自由です、でも寂しかった」。その母である伯爵夫人(素晴らしきヴァレリア・ゴリノ)が言う「笑い合うのだって一人じゃできない」じゃないけれど、何だって誰かとしたい。その相手とは対等でありたい。そ…

平日の記録

りんごのデザート。 日本で一番混んでるんじゃなかろうかと思っていた池袋のカフェ・ド・クリエが特別店舗として改装オープンしていたので寄ってみた。店舗限定のアップルパイのプレートは普通のものだったけど、お店がきれいなのはよい。 ロイヤルホストの…

まっさらな光のもとで/私と彼女

イタリア映画祭2020オンライン配信で見たマルゲリータ・ブイ主演の過去作二本の記録。 ▽まっさらな光のもとで2009年、フランチェスカ・コメンチーニ監督。ナポリの夜間中学で国語の授業を担うマリア(ブイ)は作中最初の授業の場面で生徒が誤ったことを書い…

君の誕生日

映画の始め、仁川国際空港に降り立ちタクシーでどこかへ向かうジョンイル(ソル・ギョング)の道のりが「出かける」ようにも「帰る」ようにも見えないのに少々困惑させられたが、その理由は次第に分かってくる。彼はいったん途切れた道に現れたのだと。韓国…

週末の記録

週末に作ったもの。 食べてみたいと言っていたら同居人が探して買ってきてくれた「冷凍」キンパに合わせたのは、韓国風(的?)クリームシチュー。コンソメじゃなくダシダを使って、玉ねぎと蕪と鶏肉と薄揚げを具にして、ナムル二種を添えた。まあまあ満足。…

ヒトラーに盗られたうさぎ

ジュディス・カーの自伝「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」は未読。ベルリンから逃れたパリで、アンナの母(カーラ・ジュリ)が自分達とは違う非・ユダヤ人かつ裕福な家庭の婦人と連弾をする場面で胸がいっぱいになった。単に音楽に心躍らされたわけじ…

平日の記録

特典目当て。 コメダのやわらかシロコッペ西武新宿ペペ店を通りすがりに、「サンドイッチを二つ購入でブランケットを100円で販売」との貼り紙を見てフルーツサンドの「カラフルミックス」と「みかん・キウイ」を購入。パンも美味しく食べがいがあった。 タリ…

朝が来る

ウォーターフロントの30階から眼下に眺める海と広島で仲間と散歩する海とが繋がっているということは佐都子(永作博美)と朝斗の母子の会話でも強調されるが、つまりはそういう話である。電話を受ける側に始まり電話を掛ける側の描写に至ってやっと分かった…

週末の記録

紅葉を見に六義園へ。事前予約制の程よい人手の中、峠や池などゆっくり歩いて見ることができた。 ベンチでのお弁当は私が作ったおにぎりに、同居人の卵焼きと、スープジャーを開けたら大好きなプゴク。どれも美味しかった。 家まで歩く道すがらのワールドネ…

エイブのキッチンストーリー

「子どもを働かせてはいけない」という実際問題はさておき、エイブ(ノア・シュナップ)自身はチコ(セウ・ジョルジ)の元で料理を学ぶことを「トレーニング」と言っている。人生において料理は仕事じゃない、というようなことを言っている映画を最近見たな…

週末&平日の記録

恒例のルイ・テットのボジョレー・ヌーボーに合わせるのに、同居人がねぎまを唐揚げにしてくれた。マスタード、あるいはヤンニョムマヨネーズのソースを付けて食べる。これは楽しい。その他ル・プチメックのバゲットと、無印の冷凍カムジャタンにネギ一本と…

マイアミ/サマー・フレンズ

「フィンランド映画祭 アンコール」にて観賞。 ▽「マイアミ」は「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」特集で「僕はラスト・カウボーイ」(2009)を見たことのあるザイダ・バリルート監督の2017年作。上映前に流れた監督の挨拶映像で「複合的な内…

週末&平日の記録

但馬屋珈琲店にて「2種のテリーヌショコラ ペアリングセット」。オレンジピール入りテリーヌショコラと抹茶テリーヌはどちらもどっしりしておりコーヒーに確かに合った。 特別なパフェ。 egg東京のテラス席にて特製アイスクリームを使ったeggファームパフェ…

リトル・ウィング

「フィンランド映画祭 アンコール」にて観賞。2016年フィンランド、デンマーク/セルマ・ヴィルフネン脚本監督。序盤に置かれた学校で父の日のカードを書かされるくだりを、この映画は批判的には描かない。主人公ヴァルプがこっそり住所を調べて「本当の」父…

週末の記録

先月開館した青山のヨックモックミュージアムへ。展示をさらりと見てカフェで休憩。ブレンドコーヒーに美術館限定の、南仏の町の名から取った「ヴァローリス」というお菓子。杏をくるんだレモンムースといった感じで美味しかった。神宮外苑に足を伸ばしてい…

詩人の恋

「タクシーに乗れば空港へ行けるのに」。アメリカ映画などでは大抵バスはどこかへ旅立つ乗り物だが、ここでは行って帰るだけの、「遠くへ行きたい」と願うテッキ(ヤン・イクチュン)にとって悲しみと共にある乗り物だ。悲しみを糧にする詩人の彼はそれ故そ…