2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

平日の記録

西武池袋本店の改装に伴い閉店するお店に行った記録。 5月末に閉店したケンジントン・ティールーム(写真は五月末)では大抵スコーンかケーキかどちらかを注文していたところ初めてスペシャルセットを。タルトフレーズにスコーンにアイスクリーム、今週の紅…

スリープ

迎えの車までの僅かな道のりの携帯電話で今日あったことを話す、夜のテレビの前のテーブルにピザやカップラーメンといったジャンクフードのゴミが並んでいる、そうした描写から妻スジン(チョン・ユミ)にとって夫ヒョンス(イ・ソンギュン)との関係がいか…

まだ明日がある

イタリア映画祭のオンライン上映にて観賞、2023年パオラ・コルテッレージ監督作品。またしても、いやいつもと言うべきか、SNSで今日も見かける、文句があるなら転職しろ、国から出て行け、といった言葉と真反対のメッセージを強く訴える(ためにある大きな仕…

フィリップ

冒頭、1941年のワルシャワ・ゲットーで恋人や家族と一緒のフィリップ(エリック・クルム・Jr.)はこれより屈託のない人間がいるかというくらい屈託がない。しかしこの場所はやはり異常であった。続くタイトルバックは抜けるような青空に鳥の声、プールサイド…

ブルー きみは大丈夫

あまりのれずに見ていたのが、おばあちゃん(フィオナ・ショウ)がレコードの針に手を…というシンプルなスリルには引き込まれた。何ていい眺めなんだと思っていたのがここで活きて、窓の外のニューヨークの街が観客になる。ちなみにこのおばあちゃんが、孫と…

オールド・フォックス 11歳の選択

冒頭に出る文の、国の経済がいかに個人の生活に影響を及ぼすかとの内容に、いわゆる氷河期世代のうちらはそんなこと痛いほど知っていると思うが、続く「11歳のリャオジエも…」にその年齢こそが作り手にとっては大切なのだと受け取る。1989年が舞台の本作でク…

違国日記

原作未読。こんなにも窓の外が見えない映画って珍しいなと思いながら見ていたら、映画の終わり、槙生(新垣結衣)と朝(早瀬憩)が暮らす家の中から外がはっきり見える。洗濯した服を干した向こうに鮮やかな緑、やがて雨が降って止む。二人が二人でもって社…

チャレンジャーズ

ゼンデイヤ演じるタシ・ダンカンが登場する時、脚に静かに走る怪我の跡に目が行く。マイク・ファイスト演じる夫アートの眠るベッドから起き出しての朝の場面で彼女はそこにクリームを塗る。傷を「大事にする」と言う時、それは治すとも文字通り大事にすると…

ハロルド・フライのまさかの旅立ち

サム・フリークスで観賞の叶った『とても素敵なこと 初恋のフェアリーテール』(1996年イギリス)のヘティ・マクドナルド監督が映画化を手掛けると知り読んだ小説『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』(2013年レイチェル・ジョイス)で印象的だった…

マッドマックス フュリオサ

逃げられないよう男が付けた鈴に男が欲情を募らせるとは纏足みたいだと思う。フュリオサ(少女時代をアリーラ・ブラウン、長じてアニャ・テイラー=ジョイ)は物語の序盤にその髪を切って逃げ、終わりにその髪が立てていたのと似た音で鈴を付けたディメンタ…