2024-01-01から1年間の記事一覧
▼劇場で見た一般公開作の中からお気に入り10作を見た順に。コンクリート・ユートピア(感想)…私にとってこういうのが「完璧」に近い映画。コット、はじまりの夏(感想)…学校の塀を飛び越えるコットの小さな後ろ姿があまりに鮮烈だった。リトル・リチャード…
顔の見えない教師が子どもに押し付ける「沈黙が従順に、従順が秩序に、秩序が学力に繋がる」とは真逆の、自分をさらけ出したフアレス(エウヘニオ・デルベス)の授業が実力テストでの高得点に繋がったと最後に文で示されるが、この映画のテスト観が私にはよ…
帰省の新幹線に乗る際にメルヘンのグランスタ限定4色パックを購入、今半の黒毛和牛すき焼きサンドに惹かれて。カヌレリテでSuicaのペンギンカヌレとミルクティーカヌレのセットも買った。冷凍状態で受け取ったのを自然解凍で食べた形になるけど、美味しかっ…
EUフィルムデーズにて観賞。2022年アイルランド、デクラン・レックス監督。ネイヴオーグという手漕ぎボートが題材というので見たかったのをアイルランド映画祭で逃した作品。言葉は全編ゲール語。ダブリンで働く多忙なイーファがケリー県の実家に久しぶりに…
年末にたまたま続けて寄ったいわゆる北欧カフェの記録。 フィンツアー運営のヒュバ・マトカで食べたのは、リトアニアのレシピだという「濃厚はちみつの七層ケーキ」。ほろほろかつしっとりしており美味しかった。 フィンランドのチェーン店、ロバーツコーヒ…
EUフィルムデーズにて観賞、2023年ポーランド、キンガ・デンプスカ監督作品。ヤクプ・マウェッキによる同名小説の映画化。冒頭のナレーションで主人公のナストカいわく「私達は共に体が望まないことをしてる、でもそれが人生じゃない?」。脳性麻痺を患う彼…
タイトルが作り手の呟きである映画って滅多にないよなと思いながら見ていたら、作中この言葉は最後の場面で一人残った家長に対する息子=監督の「どうすればよかったと思う?」との質問として出てくるのだった(勿論もっと色々な意味があろうけど)。統合失…
冬休み最初の週末をソウルで。所用のためだったのと一泊二日という短さでひとところにゆっくりはできなかったけど、寒さの染みる街を感じることができた。写真は帰りの金浦空港のフォトスポットにて。 金浦空港に着いて最初に向かったのが三駅ですぐの、ドラ…
「イギリス人の父と日本人の母を持ち、大阪の公立小学校を卒業しインターナショナルスクールで中高と学びアメリカの大学に進学した」山崎エマ監督(『モンキービジネス おさるのジョージ著者の大冒険』(2017)はすてきなドキュメンタリーだった)が世田谷区…
EUフィルムデーズにて観賞。2023年ベルギー・フランス、ヨランド・モロー監督作品。大変彼女らしい内容で歌も絶品だった。菜の花が満開のムーズ川のほとり。鴨について水に落ちそうなよたよた歩きのミレーユ(ヨランド・モロー)が荒れ放題の生家に帰って来…
フィンランドのカルッキラで冬以外を暮らす映画監督のアキ・カウリスマキが作家のミカ・ラッティと地元で共同経営する映画館、キノ・ライカ。これは初の映画館のオープンを控えた小さな町を私達に案内してくれる映画である。「自然に恵まれ歴史的に重要な」…
EUフィルムデーズにて観賞。2022年オランダ、マリョライン・ブッストラ監督作品。性加害の犠牲となった十代の4人の、セラピストとの対話による治療の過程を収めたドキュメンタリー。上映前に流れた監督からのメッセージ映像で、この映画を作ろうと思った切っ…
カンヌ監督週間 in Tokioにて観賞。2024年アメリカ、インディア・ドナルドソン監督作品。子どもの頃に百科事典をめくっていた時の気持ちが蘇るようなオープニングの後、ある家で登山の準備をする二人。同性の恋人ジェシーと自室でくつろぐ少女サム(リリー・…
現代中国映画祭にて観賞、2024年イン・リーチュエン監督作品。中国の今年の興行収入トップ作品は同じく監督主演が女性(ジア・リン)の『YOLO 百元の恋』(感想)だそうだけど、どちらも主人公がSNSを通じて世界に自分を伝えるのに終わるのが面白い。あちら…
『ワンダー 君は太陽』(2017)でオジーを苛め退学させられたジュリアン(ブライス・ガイザー)は新しい学校に馴染めず、転校のせいでということばかりに固執している。「これからは意地悪も親切もしない、normalに生きる」と言う彼の言葉に祖母サラ(ヘレン…
「フレデリック・ワイズマンの足跡 1967-2023 フレデリック・ワイズマンのすべて」にて初日に観賞。『チチカット・フォーリーズ』(1967)の、ここで終わると予想する楽しみを与えないラストに少々びっくりしていたら、続く翌年製作のこちらのオープニングで…
映画はムンバイの道々で裸足で遊んだり踊ったりする子らに始まる。そのうちそこから生まれたマニーシュ・チャウハンが登場し思いを語りタイトルが出る。彼がダンスを始めた切っ掛けだという映画のワンシーンはインドの若者達が普段着(に見える服装)で男女…
東京フィルメックスにて観賞。2024年インド・フランス・アメリカ・ノルウェー、シュチ・タラティ脚本監督作品。男女で勉学の場が分かれていた、女子に機会はなかったと言う母のアニラ(カニ・クスルティ)の時代から娘のミラ(プリーティ・パニグラヒ)が監…
東京フィルメックスにて観賞。2024年アメリカ、コンスタンス・ツァン脚本監督作品。ニューヨークのクイーンズ、客は男ばかりのマッサージ店で、禁止の「サービス」で受け取ったチップを自分の財布にしまい、提示の金額からの不足分をその財布から出す序盤の…
スイスアルプスの山間のホテル。クローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は指をさっと舐めて捲った雑誌からダイアナ妃の写真を切り抜き、馴染みのウエイターの青年からチップと引き換えに得た情報で「明日帰る」ような男の席について彼が住む街について聞く…
11月最後の週末、恒例の花園神社の三の酉へ。少し早めに行ったので参道も歩けた(いつもは動かず進まないので脇から抜けて帰らざるを得ない)。 夜おやつ用に伊勢丹のCONGALI文明堂で季節限定、スイートポテト味の黄色いこぐま焼きを購入。ほんとの芋の味が…
フィンランド映画祭にて観賞。2024年フィンランド、ヴィルピ・スータリ脚本監督作品。最初に出る年号が「2022」であるのに、実に今の話だなと思う(制作に年数の掛かったドキュメンタリーを見ることも多いので。それはそれだけの時間が必要だからだけども)…
フィンランド映画祭にて観賞。2023年フィンランド、カトゥヤ・ガウリロフ共同脚本監督作品。スコルト・サーミ語で撮影された初の長編映画だそう。上映前のメッセージ映像の最後に監督がキートス!に続けて言っていたのが、この言葉での「ありがとう」かな。…
難民映画祭のオンライン上映にて観賞。原題Peace by Chocolate、2021年カナダ、ジョナサン・カイザー監督作品。「実話に基づく」映画はシリア内戦の爆撃映像をオープニングに、レバノンの難民キャンプを経て第三国定住によりカナダへ移動した一家の困難と「…
フィンランド映画祭にて観賞。2024年フィンランド・エストニア、ミーア・テルヴォ脚本監督作品。題材は1984年にラップランドのイナリ湖にソ連がミサイルを落とした事件。エストニアから亡命してきたという科学者の女性にはモデルとなった人物がいるのだろう…
ポーランド映画祭にて観賞。2023年ポーランド・セルビア・リトアニア、DKウェルチマン&ヒュー・ウェルチマン監督作品。ヴワディスワフ・レイモントの原作小説は未読。物語は秋の章に始まる。土地の問題に縛られる農民の村で「あの雲を掴んで上っていきたい…
ボジョレー・ヌーヴォーが届いた日の食卓は、フィッシュアンドチップスにオニオングラタンスープ、春菊のサラダを作ってもらった。どれもルイテットに合い、食べて楽しい。サラダはスーパーで安かったヤリイカをバターで炒めたのやら柿のスライスやら具沢山。…
特集上映「ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク」にて観賞、1983年アメリカ作品。このような映画に接すると、それによって数多の女性が道を切り開いてくれた作品を見るのが辛いという、私の非理性的で薄情な、でも他人にとやかく言われる筋合いのない…
難民映画祭のオンライン上映にて観賞。原題Rosemary's Way、2020年オーストラリア、ロス・ホーリン監督作品。オーストラリアのパラマタ警察の多文化連絡調整官であるローズマリーを追ったこのドキュメンタリーを見ると、同じように人を救っている人はたくさ…
グレッグ・アラキの「ティーン・アポカリプス・トリロジー」のうち、このたび公開されたデジタルリマスターかつディレクターズカット版の二作を観賞。 ▼「グレッグ・アラキによるヘテロセクシュアル映画」との痛快な皮肉で始まる『ドゥーム・ジェネレーショ…