2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

スワンソング

ウド・キアー演じるパトリック・ピッツェンバーガーが高齢者施設を脱して息をする時、看板の文字にここはオハイオだったのかと思う。予告から遠くへ旅する話だと思い込んでいたら、彼は元々そこにいたのであった。すれ違う大人と子どもにハロー……続けてサン…

セイント・フランシス

まずは私の長年の思いに応えてくれる映画であった。生理や中絶は大ごとでもあるし大したことじゃなくもあると言ってくれていた。実際そうだから。それなのに私達はその都度どっちかに決めつけられたりどっちなのかはっきりしろと責められたりしてきたから(…

キングメーカー 大統領を作った男

「私は欲しい時だけもいで食べる柿ではありません」と言いながらも抑え切れず声が掛からないうちに事務所に戻って来たソ・チャンデ(イ・ソンギュン)は、主人キム・ウンボム(ソル・ギョング)の「組織の主体は人だから」との助言で皆の前で一席ぶつ。与党…

きっと地上には満天の星

映画には、人には事情があるのだという想像力を鍛えてくれる役割があると私は思っているんだけど、この映画、原案である「モグラびと」の記憶からして(あれは現在の状況でないとはいえ)舞台が早々に「地上」となるのに驚いていたら、その描写が鮮烈だった…

C.R.A.Z.Y.

矛盾に生きるということ、どうしようもない優しさ、そうそう『カフェ・ド・フロール』!(…のオカルト要素。そういえばあの彼もDJだった)という、私にとってのジャン=マルク・ヴァレの色々があった。願望の映像化といういわば禁じ手を何度も使うのには『雨…

1640日の家族

これは面白かった。子どものための里親制度についての話でありながら、メラニー・ティエリー演じる主人公アンナを追った一級品の映画になっている…なってしまっている。ラストシーンが彼女一人や大人だけなどじゃなく家族全員というのに感心したんだけども、…

アンデス、ふたりぼっち

アンデス高地に暮らす老夫婦を描いた2017年製作の劇映画。妻パクシ役、夫ウィルカ役いずれもの演技然とした演技が大変「自然」に思われる。邦題のように「ふたりぼっち」なんだから(それなのに映像があるんだから)演技であるのが「自然」なのだ(絶妙な動…