2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

パリに見出されたピアニスト

ピアノの単音がオーケストラとなり、パリ北駅のめまぐるしい雑踏の中、「ご自由に演奏を」ピアノでマチュー(ジュール・ベンシェトリ)がバッハの「プレリュードとフーガ ハ短調 BWV847」を弾いている、一瞬遅れてバッハの前奏曲だと気付く。遠くから見つめ…

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ

映画はケイラ(エルシー・フィッシャー)の配信動画に始まる(そうか、「ズーム」はそうやればいいのかと気付く・笑)。ボー・バーナム監督がジョン・ヒューズの映画は世代的に心に響かないと話す記事を目にしていたので(「フェリスはある朝突然に」から)…

見えない目撃者

オリジナルは見ていないんだけれども、これは他人を気に掛けるという最大の美徳を持つ四人がチームとなり「いなくなっても誰も気にしない」弱者を踏み潰す悪と闘う物語である。だからこの映画で最も大切な場面は主人公なつめ(吉岡里帆)の「うちに来る?(…

平日の記録

今月オープンしたてのシャトレーゼの新ブランドYATSUDOKIにて「国産和栗の生モンブラン」。何気なく注文してみたんだけど、栗の渋皮煮とマロンクリームと生クリームとカスタードクリームと厚いラングドシャのようなクッキー、全てが美味しく食べるや笑ってし…

アド・アストラ

「リマ計画」を知っているかと問われたロイ(ブラッド・ピット)がまるで第三者のように返答するも父が生きていると聞くと相手の声がひととき遠くなる、意識が制御下から離れそうになるのは、冒頭の事故がその比喩だったかのように思われた。冷静に対処して…

週末の記録

同居人が先週の朝テレビで見たそうで、名古屋のパン屋さんなんだって、小麦を石臼でひいてるんだって、と誘ってくれたので自由が丘のバゲットラビットへ。「三重県の小麦を石臼でひいて使用」とあったバゲットラビットにブール、かぼちゃとクリームチーズと…

レディ・マエストロ

1930年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にてデビューした女性指揮者アントニア・ブリコの実話を元に制作。映画の最後に出る文章を締める「0% are women」が、「私達が才能に性差はないと示したことをあなたは覚えているか」と訴えかけてくる。厳しいこ…

平日の記録

ちょこっと久々のニュウマンにて、新しめのお店二つ。 いちびこのぷるぷるいちごオーレは手軽で甘くて美味しい。 森永製菓のTAICHIRO MORINAGAで期間限定との文字に惹かれて手にしたベイクドキャラメルは、見た目から想像できない味で楽しかった。他のお菓子…

平日の記録

東京都写真美術館にて、展示室で開催中の「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」。 これは楽しかった、長居してしまった。変な言い方だけど豪奢な学園祭のような雰囲気だった(豪奢というのは椅子などしっかりしてるから)。「DAVI…

サウナのあるところ

脚をあげている女の見られる映画は大抵面白いものだが、この映画もそれで始まる。サウナでくつろぐ、50年以上一緒の夫婦。夫が妻の背中を流してやるのとキスを最後に作中のサウナに女は現れず、以降は男達が一列に横並び、ロッカールームで向かい合いと色々…

プライベート・ウォー

最初と最後を締めるメリー・コルヴィン(ロザムンド・パイク、映画の終わりは本人)の言葉は「恐怖を認めると行き着けない、真の恐怖は全てが終わった後に来る」。まず記者の仕事とは「そこへ行く」ことなのだと分かる。米軍がメダカか雀の学校のように記者…

週末の記録

国立西洋美術館で開催中の「モダン・ウーマン フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」へ。 自画像含む多種多様な作品の展示は勿論、当時は世界でも珍しかった男女平等の美術教育についての解説も面白かった。男女別に裸体デッサンを行っていたそうで、女…

帰れない二人

顔、顔、顔のオープニングの後、21世紀と共に産声を…とは言わないまでも世紀末に生を受けたであろう子がふと目覚める。市街地から炭鉱の町に向かうバスを皮切りに三つのパート全てが乗り物で始まる(間にも絶え間なく乗り物が出てくる)乗り物映画だが、これ…

平日の記録

まだまだ暑いけれど、秋の焼き菓子。 スターバックスのコラボシリーズ「おおつぼほまれ×マフィン バナナカカオチップ」は小ぶりで食べやすかった。 小田急百貨店新宿店内のビスキュイテリエ ブルトンヌでは、ガトー・ナンテのキャラメルバナーヌとアップル。…

謝楽祭&鈴本昼席

台風接近中の日曜日、謝楽祭へ。円丈の手拭いを買ってサインをもらった。 屋台で買ったからあげと焼きそばを持って、鈴本演芸場9月上席昼の部へ。正直、今を生きているのはトリのこみちさんだけという感じを受けたけれど、楽しかった。柳家小はぜ「道灌」 松…

フリーソロ

面白かった、ドキュメンタリーの普遍と特殊がここにある。お馴染みジミー・チン(妻のエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィと共同制作、兼監督兼撮影監督)の「僕らの撮影がアレックスに影響を与えることはないと自分に言い聞かせていた」(続く言葉は「断念…

ヒンディー・ミディアム

この二時間強の、教育や貧困といった社会問題を扱いつつも一大叙事詩のような趣の新鮮さ…器用な観客でない私には見づらさにも繋がったけれど…は、私がインド映画を見つけないからなのかインド映画でもあまり無いタイプだからなのか。娘の受験のために名門小…

週末の記録

金曜の夕方は待ち合わせて京王百貨店で開催中の秋の大北海道展へ。マルダイ水産の花咲蟹にウエムラ牧場の牛肉の握りという豪華なお買い物。どちらも勿論美味。 デザートにはベイクド・コンフェの北海道バターサンドイッチ。これは初めての味わい。 残暑の厳…

おしえて!ドクター・ルース

「愛情深く真摯」「権威ある話し方を心掛けている」などと言われるルースの仕事ぶりがやはりまず素晴らしい。相手をしっかり見ながら話を聞き、シンプルかつ的確な内容を返す。映画はセックス・セラピストである彼女の現在の、あるいはこれまでの仕事を見せ…

週末の記録

寺田倉庫で開催中の「スター・ウォーズ アイデンティティーズ:ザ・エキシビジョン」へ。うちら向きのイベントじゃなかったけれど、モノレールやバスにも乗れたし、夏休み最後の週末ぽくて楽しかった。 写真の右は、カリフォルニアのランドのSWエリアのオー…

ガーンジー島の読書会の秘密

まず私にはやりたいことがあるという話である。冒頭の1946年「本を書いて稼いだお金でロンドンの皆に住宅を贈ったらどう」「愛する人に花を贈ることで花屋の仕事を作っている」などの冗談めかしたやりとりがなされるが、そう、ジュリエット(リリー・ジェー…