2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

サイレント・ツインズ

ポーランド映画祭にて観賞、2022年ポーランド、イギリス、アメリカ制作、アグニェシュカ・スモチンスカ監督作品。出演はレティーシャ・ライト…に始まるオープニングは私には、実在の人物を元にした創作物において作り手と受け手とが共犯関係を紡ぐことの(ど…

バルコニー映画

ポーランド映画祭にて観賞、2021年パベェウ・ウォジンスキ監督作品。コロナ禍の2年あまりワルシャワ自宅のバルコニーから人々を撮影した映画というので大好きな『ダゲール街の人々』(アニエス・ヴァルダ1975)を連想していたんだけど、全く違っていた。いや…

クロックウォッチャーズ/ザ・デッド・ガール

特集上映「サム・フリークス Vol.25」にてトニ・コレット二本立てを観賞。 ▼『クロックウォッチャーズ』(1997年イギリス・アメリカ、ジル・スプレカー監督)はトニ・コレットが私達を見るラストカットが忘れ難い、今見るのに、いやいつ見るのにもぴったりな…

4人の小さな大人たち

フィンランド映画祭にて観賞、2023年セルマ・ヴィルフネン脚本監督作品(同映画祭で見た同監督の『リトル・ウィング』(2016)感想)。「私たち平等党が最も重きを置くのは愛です」とユーリア(アルマ・ポウスティ)は党首選でアピールするが、この映画のテ…

ハッピー・ワーカー

フィンランド映画祭にて観賞、2022年ジョン・ウェブスター監督作品。両親も自分もパートナーも皆(元)教員(とはいえ銀行員から転職した父親はそれこそ「燃え尽き」だったのかもしれない、50年前の話だけど)の自分は燃え尽き症候群の研究者クリスティーナ…

ファミリー・タイム

フィンランド映画祭にて観賞、2023年ティア・コウヴォ脚本監督作品。上映前に流れたメッセージ映像での監督の「私が経験してきた実際を、映画にあまりない形で描いた」との言葉が次第に飲み込めてくる(女同士がおしゃべりするサウナシーンからしてまず見な…

バブル

フィンランド映画祭にて観賞。2022年レータ・ルオツァライネン脚本、アレクシ・サルメンペラ脚本監督作品。オープニング、16歳のエヴェリーナら女子3人が若く見えた方がいい、いや見えない方がいい、車の中で暖を取っているのがばれたらかっこ悪いなどと話し…

枯れ葉

フィンランド映画祭の先行上映にて観賞。ホラッパ(ユッシ・バタネン)がポケットから落としたアンサ(アルマ・ポウスティ)の電話番号が風に舞うカットに近くの席で小さな悲鳴があがったのがとてもしっくりきた。なぜならアキ映画は、とりわけ本作がその続…

ぼくは君たちを憎まないことにした

パリ同時多発テロ事件で妻を殺されたアントワーヌ(ピエール・ドゥラドンシャン)が「ぼくは君たちを憎まないことにした」(Vous n'aurez pas ma haine…君たちはぼくの憎しみを得られない)と世界に宣言する前の、後のリアルが丁寧に描かれていた。通行止め…

蟻の王

ブライバンティ(ルイジ・ロ・カーショ)いわくの「子どもでも書けるような文」を手がける、彼にとって当初全く違う世界の住人だった記者エンニオ(エリオ・ジェルマーノ)こそが「味方」だったというのが面白い。後年の裁判時に行われたデモでの演説でブラ…

理想郷

意を決したアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)が飲み屋で隣人兄弟と話をしようとする、自分の意見を言い、それに対し「君は何をする」のか聞こうとする(彼は何の教師だったのだろうか?)、兄のシャンが突如雄弁に自らの立場と心境を語る、この場面には見…

私がやりました

マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)とポーリーヌ(レベッカ・マルデール)の女二人が男達の間抜けなオフィスへ乗り込んで芝居をうつあたりから映画はぐんと面白くなる。それまで自説を滔々と、嬉々として語っていた判事(ファブリス・ルキーニ)が、…

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

私にとって「ボスがいる、何をして食べているかよく分からない男達の映画」とはギャング映画だから、それに当てはまるこれもそう見た。面白かったけれど、主人公アーネストを演じるディカプリオのバカ面を見なきゃならない時間がいくら何でも長すぎて苦痛だ…