2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

君だけが知らない

病院で目覚めたスジン(ソ・イェジ)を「夫」のジフン(キム・ガンウ)が車に乗せてゆく道のりが荒涼とした何かの中に潜っていくように見えたものだけど、着いた先は開発途中らしき荒地の中に建つ新しいアパート。やがてそこはいわば記憶の塔となる。「知ら…

テルアビブ・ベイルート

オープニング、私にはいかにも丁度よいスピードで、かつては線路だったという道に車を走らせる二人の女。その後の物語を見ているうち、それは死ななければ国境を越えられない世界において愛と共に自由にあるためにはどちらに行くでもない、ほかでもない国境…

サポート・ザ・ガールズ

普段ならそういうことは思わないけれど、この従業員ほどの年の女性が見たらどう感じるかなと考えた。オーナーのカビー(ジェームズ・レグロス)がいの一番にあげるルール「NO DORAMA」をマネージャーのリサ(レジーナ・ホール)が無視する理由、その責任は彼…

バビロン

1980年のサウスロンドン、ジャマイカ系移民二世の青年達。レゲエの知識が皆無なので見ていて分からないことだらけだったけど、レゲエ仲間といっても相当色んな奴がいる、色んなことをしている奴がいるということを描いた後でのガレージでの、一枚のレコード…

アメリカから来た少女

冒頭四人がやって来る、カビが生え、電球が切れ、手狭で暗いそこは全く家ではない。一応それまでの主であった父親(カイザー・チュアン)は一人での食事に慣れ茶碗を持てばかきこむばかり。母親(カリーナ・ラム)は彼とうまく寝られず13歳のファンイー(ケ…

愛する人に伝える言葉

映画は医療従事者のミーティングの様子に始まる。医師のエデ(ガブリエル・サラ)をファシリテーター及び指導者として、音楽やお菓子を楽しみながら参加者が思いを口にし助言を受けるというケアが行われている。あまり見たことのない場面で素晴らしい。彼ら…

マイ・ブロークン・マリコ

遺灰をあんなふうに撒き散らすはめになるこの物語を数多作られてきた男の遺灰映画と比べた時、これは女を物扱いする家父長制への反抗であるシスターフッドそのものの話だけれど、そう言いたくないというかそう言うのが悔しい。それが強く(作り手によっても…

ゲット・クレイジー/フリップト

特集上映「サム・フリークス Vol.20」にて音楽の楽しい二本立て。 ▼『ゲット・クレイジー』(1983年アメリカ、アラン・アーカッシュ監督)は、ロードショー公開中の『ロックンロール・ハイスクール』(1979年アメリカ、同監督)を見て臨めたのが幸運だった。…

休日の記録

結婚記念日に西武鉄道の「52席の至福」で電車に乗りながらのディナー。久しぶりの長瀞で岩畳を歩いてから秩父発の特別列車へ。太陽が照り付けても空気は秋の気持ちよい日。長瀞では阿左美冷蔵のかき氷、長瀞とガレのみそ豚ガレドッグ、秩父駅に戻って出発時…