
難民映画祭のオンライン上映にて観賞。原題Comme tu es belle! / Kabul Beauty、2023年フランス、Margaux Benn & Solene Chalvon Fioriti監督作品。
タクシーの外をゆくタリバンの男らに「かわいいね」と声を掛けられた二人の女性が「タリバンの彼氏を作る?」「かっこよければね」「そんなのいるわけない、あいつらシャワーも浴びないし一週間同じ服だよ」なんて軽口を叩けるのはタリバンが復権してまだ間もない頃だったからか。男女別、残り一年の期限で復学した大学では「父親の仇みたいに見てた(笑い声)」、久しぶりの公園では「ボリウッドの悪役みたい」、しかし次第に女性達の口からそのような物言いは消える。
カメラは20代のソフィアとニギナが働くカブールの美容室をタリバン復権直後から1年間撮影する。彼らが女から取り上げようとするほぼ全てがここにある。未婚でも離婚しても生きていける給金の他、夜には「こうなる前のように」髪を出して踊ってはしゃぎ、昼間は(上流階級専門の店だが)女達が体の触れ合いやおしゃべりでリラックスする。患者がタリバンばかりの病院の医師だと話していた女性はあの後どうしただろう。
一緒の国外脱出を計画していた二人だがニギナが行方不明となり、後に父と兄がタリバンに連行され尋問を受けたため急遽パキスタンへ逃れたのだと連絡が来る(彼女はその後トルコを経てドイツに渡る)。ソフィアは数か月後に故郷を後にするタクシーの中で「出られない女性達を見ると心が痛むが何もできない」と話す。夫と離婚し美容室で働くザキアはパリ郊外で生活するソフィアから送られてきた動画を見、なぜ国を出られないのかと自分を責める。実際にはニギナもソフィアも新たな国で不自由や苦痛を感じており、逃れなければならなかったが逃れても自由でない人々が多くいると分かる。
出国前、女性達のデモを見かけた二人は参加したいけど目を付けられたらと逡巡する。意を決し踏み出したところへ通りすがりの男達に顔や髪を隠せと言われ、何もしない腰抜けと反撃する。後に逮捕された(「国際社会からの圧力で釈放された」)活動家の女性が人は自由より身の安全が第一なのだと話すが、二人は「タリバンが出てきた時、アフガニスタンの人たちは抵抗しなかった、声を上げなかった」と語る。その結果、弱い存在である女性が一番虐げられることになる。