2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

FEMME フェム

映画はジュールズ(ネイサン・スチュアート=ジャレット)が化粧をしブーツを履きドラァグクイーンのアフロディテになるのに始まる。後に「彼女の方が本当の自分なんじゃないか」「襲われた後の(家に籠ってゲームをするばかりの)自分は彼女を失望させたん…

間奏曲

ダグラス・サーク傑作選にて観賞、1957年作品。見るのは初めて。ジューン・アリソン演じる主人公ヘレンについての、電話の向こうの医師モーリー(キース・アンデス)の「会ったことはないが健康な人だろう」に、異国に来るくらいだから(あるいは同じアメリ…

週末の記録

雨の週末、上野公園の桜をぶらりと見てからエキュート内のクラマエカヌレの苺パンダソフト。ソフトクリームも中に入っているカヌレの断片も美味しかった。映画を見てから日本橋の夜桜。雨も上がってきれいだった。

マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド

1900年代の「La nouvelle femme(原題「新しい女性」)」として生きたマリア・モンテッソーリ(ジャスミン・トリンカ)の数年間を描く。冒頭の視察団の男性達からの去り際の「私が大学に入れたんだからこの子達にもできる」とは、モンテッソーリの主張の柱で…

天が許し給うすべて

ダグラス・サーク傑作選にて初日初回に観賞。見るのはおそらく学生時代以来。物語は秋に始まる。社交クラブのパーティに「久しぶりの赤いドレス」を着る「未亡人」のケリー(ジェーン・ワイマン)は人生が終わりに向かうのに抵抗しているようだ。そんな彼女…

ノーバディーズ・ヒーロー/ミゼリコルディア

アラン・ギロディ監督特集にて最新二作を続けて観賞。 『湖の見知らぬ男』(2013)では主人公フランク(ピエール・ドゥラドンシャン)が自分の家へ行こうと意中の相手を誘うのが心に残ったものだが、『ノーバディーズ・ヒーロー』(2020)の主人公メデリック…

平日の記録

デパートの催事で買ったパンを屋上で食べた記録。 イセタン・ベーカリーセレクションで購入した中でも、モニカの伊勢丹限定「桜香る完熟苺ジャムバターサンド」はブリオッシュも桜葉のバタークリームも苺のコンフィチュールも全てが美味しく最高だった。 東…

シティ・オブ・ウインド

日本モンゴル映画祭にて観賞、2023年フランス・モンゴル・ポルトガル・オランダ・ドイツ・カタール、ラグワドォラム・プレブオチル脚本監督作品。舞台はウランバートル、17歳の男子高校生ゼ(テルゲル・ボルドエルデネ)は勉学に励む一方でシャーマンとして…

冬眠さえできれば

日本モンゴル映画祭にて観賞、2023年モンゴル・フランス・スイス・カタール、ゾルジャルガル・プレブダシ脚本監督作品。舞台はウランバートル郊外、主人公の男子高校生ウルジー(バットツォージ・オールツァイフ)一家は当初母と四人の子でゲルを構えて住ん…

休日の記録その2

土曜日の横浜美術館前の満開の木蓮と、近所のいつも早く咲く桜。日曜日はそれを見ながらお花見。同居人が作ってくれたカップちらし寿司、きれいで美味しかった!仕切りや押し板も自作してのたまもの。私も一応おかずを作った。れんこん、菜の花、タラの芽の…

休日の記録

いわゆるコロナ禍以来、久々の横浜。いつもの海南飯店でいつもの青菜炒めとカシューナッツ炒めに初めての海南鶏飯、それから炒飯。その後、フランス山の谷戸坂脇の「クリーニング発祥の地」へ。同居人が学生時代たまたま見つけたという話に先日なり、面白そ…

教皇選挙

首席枢機卿のトマス・ローレンス(レイフ・ファインズ)はコンクラーベにあたり「亡き教皇の職は神に与えられたもの」とそれまでの描写からしてそんなわけないだろうと思われる内容をつまらないと切り上げ、「確信ではなく疑念を」と映画のクライマックスに…

私たちは天国には行けないけど、愛することはできる

冒頭ジュヨン(パク・スイン)の男友達が彼女を通じて差出人の名のないラブレターをイェジ(イ・ユミ)に渡すのは、「女」に愛を告白するのは「男」に決まっているという私含む異性愛者の傲慢であり、この友人関係はどうなるのかと見ていたら、彼は不自然に…

Four Daughters フォー・ドーターズ

映画を作るという設定から、まず母オルファと娘のエヤ、テイシールによる家族の歴史の記憶についての話し合いが行われる。負担の大きい場合にオルファを演じるヘンド・サブリ(このやり方にはマイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルで見た『千の顔を持つ…

Playground 校庭

7歳のノラの登校初日のオープニングには、そもそも集団に分けられ決められた時間に決められた場所にいなきゃならないなんて異常なことだと思わせられる。大人は子どもを校門の中に入れさえすれば何とかなると思っているが、何とかなる方が奇跡だ。自分も苦労…

ケナは韓国が嫌いで

ケナ(コ・アソン)とジェイン(チュ・ジョンヒョク)に向けての白人のおじいさんの英語は日本語版の小説ではうあうあ、といったふうに書かれていたのが日本公開版の映画では日本語字幕がつく。「来る前に英語を勉強してこい」に韓国語で「わかったってば」…

十八才/眠れぬ夜

『ケナは韓国が嫌いで』の前に、特集上映「映画監督チャン・ゴンジェ 時の記憶と物語の狭間で」にて長編デビュー作と第二作を続けて観賞。この二本立ては面白かった。『十八才』(2009)でテフン(ソ・ジュニョン)が出前の後片付けをしたゴミ袋を手にエレベ…

デュオ 1/2のピアニスト

映画において、例えばバレエダンサーが痛めた体で踊る苦痛を見る機会に比べて音楽家が痛めた体で演奏する苦痛を見る機会は少ない。クレール・ヴァロア(カミーユ・ラザ)が発症した手で演奏する時、幾度も挿入されるピアノのハンマーの衝撃の映像が、私達に…

リボルバー

女の話ではないドラマ『ヴィンチェンツォ』(2021)でも結局一番心に残ったのはキム・ヨジンとチョン・ヨビンが対峙する場面だったと、この映画で冒頭以来初めて顔を合わせるスヨン(チョン・ドヨン)とユンソン(イム・ジヨン)を見ながら思い出した(二組…