朝が来る

ウォーターフロントの30階から眼下に眺める海と広島で仲間と散歩する海とが繋がっているということは佐都子(永作博美)と朝斗の母子の会話でも強調されるが、つまりはそういう話である。電話を受ける側に始まり電話を掛ける側の描写に至ってやっと分かった…

週末の記録

紅葉を見に六義園へ。事前予約制の程よい人手の中、峠や池などゆっくり歩いて見ることができた。 ベンチでのお弁当は私が作ったおにぎりに、同居人の卵焼きと、スープジャーを開けたら大好きなプゴク。どれも美味しかった。 家まで歩く道すがらのワールドネ…

エイブのキッチンストーリー

「子どもを働かせてはいけない」という実際問題はさておき、エイブ(ノア・シュナップ)自身はチコ(セウ・ジョルジ)の元で料理を学ぶことを「トレーニング」と言っている。人生において料理は仕事じゃない、というようなことを言っている映画を最近見たな…

週末&平日の記録

恒例のルイ・テットのボジョレー・ヌーボーに合わせるのに、同居人がねぎまを唐揚げにしてくれた。マスタード、あるいはヤンニョムマヨネーズのソースを付けて食べる。これは楽しい。その他ル・プチメックのバゲットと、無印の冷凍カムジャタンにネギ一本と…

マイアミ/サマー・フレンズ

「フィンランド映画祭 アンコール」にて観賞。 ▽「マイアミ」は「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」特集で「僕はラスト・カウボーイ」(2009)を見たことのあるザイダ・バリルート監督の2017年作。上映前に流れた監督の挨拶映像で「複合的な内…

週末&平日の記録

但馬屋珈琲店にて「2種のテリーヌショコラ ペアリングセット」。オレンジピール入りテリーヌショコラと抹茶テリーヌはどちらもどっしりしておりコーヒーに確かに合った。 特別なパフェ。 egg東京のテラス席にて特製アイスクリームを使ったeggファームパフェ…

リトル・ウィング

「フィンランド映画祭 アンコール」にて観賞。2016年フィンランド、デンマーク/セルマ・ヴィルフネン脚本監督。序盤に置かれた学校で父の日のカードを書かされるくだりを、この映画は批判的には描かない。主人公ヴァルプがこっそり住所を調べて「本当の」父…

週末の記録

先月開館した青山のヨックモックミュージアムへ。展示をさらりと見てカフェで休憩。ブレンドコーヒーに美術館限定の、南仏の町の名から取った「ヴァローリス」というお菓子。杏をくるんだレモンムースといった感じで美味しかった。神宮外苑に足を伸ばしてい…

詩人の恋

「タクシーに乗れば空港へ行けるのに」。アメリカ映画などでは大抵バスはどこかへ旅立つ乗り物だが、ここでは行って帰るだけの、「遠くへ行きたい」と願うテッキ(ヤン・イクチュン)にとって悲しみと共にある乗り物だ。悲しみを糧にする詩人の彼はそれ故そ…

おらおらでひとりいぐも

桃子さん(田中裕子)の「地球の記憶」の映像に続く炬燵にお茶とみかんの彼女の姿に、雨の晩にこうして屋根があるところに居られるって素晴らしいと思う、文明の元では保証されるべき、生き物の根源的な幸せとでもいうか。そこから「おらだばおめだ♪」が音楽…

週末の記録

紅葉を見に昭和記念公園へ。初めて行ったんだけど、広さに驚いた。回り切れなかったからまた行きたい。 新米の季節。最初の晩は生鮭の焼いたのをメインに、前日のすきやき風をリメイクしたものや私が煮た切干大根とがんもなどを並べた。記念公園へもおにぎり…

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

なかなか時間が進まないなと見ていたら、一、二枚目のアルバムの後に体感としてはすぐに「ラスト・ワルツ」の話になる。私のような無知な者が馴染みのある部分だけじゃないかと思うも、序盤に語り手のロビー・ロバートソンが口にする「あの頃の僕らは美しか…

週末の記録

二年に一度くらい私に訪れる、ビタントニオのベーカーでワッフルを焼く気になる日。 添えるベーコンは狙い通りカリカリにできたけれど、ポーチドエッグは失敗して固まってしまった。でも美味しく食べた。甘い方には蜂蜜で煮たオレンジをのせた。 日曜日のお…

パピチャ 未来へのランウェイ

とにもかくにも恐ろしい映画だった。映画ならでは、ではなく現実を反映した恐怖。映画は主人公ネジャマ(リナ・クードリ)と友人ワシラ(シリン・ブティラ)がタクシーの中に自分達の世界を作ることに始まる。この夜から翌朝までは彼女達の領域はかろうじて…

スタートアップ!

脚本監督のチェ・ジョンヨルの前作「グローリーデイ」(2015)は、韓国の男性は美しく生まれるがみな汚れてしまうという話だった。原作付の本作では(言わずとも誰もが知っている)その理由がまずはっきりと口にされる。「ファイナンシャルって何だか知って…

週末の記録

モンブラン。 土曜のデザートに同居人が作ってくれたのは、まだたくさんあるさつまいも餡(これがモンブラン、ね)にラムレーズンを混ぜて、りんごのスライス煮と重ねて包んで焼いたパイ。美味しかった。 日曜の夕方の休憩は、コメダ珈琲店のシロノワール く…

最近見たもの

▼キーパー ある兵士の奇跡ジョン・ヘンショウの顔を見ながらふと、そういやこれ、イギリス・サッカーものだったと気付く(知っていたけど忘れていた)。更に話が進むうち、これは死なず生き延びた人間の話なのだと分かる。語弊があるかもしれないけれど、こ…

薬の神じゃない!

雨の晩に主人公チョン・ヨンが言い放つ、それを口にしたらおしまいの「おれは患者でもないのに」。後に義弟のツァオ刑事が患者にすがられる際の「誰だって何時この病気になるか分からないよ」なんて、言わなくていいはずの言葉なのだ。社会が言わねばならな…

アイヌモシリ

何かを見つめる少年の顔のアップに次いで彼の母親(と後に分かる、クレジットで「本当の」母親だと更に分かる)が観光船でアイヌの楽器を演奏する姿。お客の側で見始めたのが、続く観光アナウンスの中で朝食をとる少年の場面でこの地での、「普通じゃない」…

週末の記録

土曜日のお茶と日曜日のお茶。 土曜のデザートに作ってもらったのはさつまいもあんを使ったパンプキンパイ。バニラアイスにシナモンをふって。濃厚で美味。 日曜の夕方には外苑いちょう並木のシェイクシャックへ。同居人はたまに飲みたくなるというルートビ…

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ

これこそ見た人により反響が異なる映画だろうけど、私は前日のニュースで知った最高裁の判決を重ねてしまった。正社員として働くのは「正当」、お金を払って住むのは「正当」、でもそうしたことの上に位置する何らかは正当な人々とそうあれない人々との格差…

週末&平日の記録

先週掘って寝かせておいたさつまいもを使って、同居人がモンブランと大学芋を作ってくれた。大学芋は何年も食べていなかったのをふとリクエストしてみたんだけど、大ぶりに切ってじっくり揚げての出来たて、超美味しかった。冷たくなったのも美味しかった。 …

82年生まれ、キム・ジヨン

キム・ジヨン(チョン・ユミ)が「みな他人事で、私だけが頑張ってる」と言う時、そうだ、向かいに心配そうに座る夫チョン・デヒョン(コン・ユ)こそいつだってそうだったとつくづく思う。「子育てを手伝う」ってあんたの子なのに?「育児休暇を取るのは君…

僕の名はパリエルム・ペルマール

インディアンムービーウィーク2020にて観賞。2018年、マーリ・セルヴァラージ監督。ダリト出身の「弁護士志望、パリエルム・ペルマール」は法科大学で中間カーストのテーヴァル出身のジョーと親しくなるが、彼女の親族から酷い仕打ちを受ける。カースト差別…

週末の記録

十年ぶりくらいの川越。 早めのお昼はがらがらのレッドアローにて、私の作った美味しいおにぎり三種とぺらぺらの卵焼き。 駅からバスに揺られて芋掘りへ。子どもの頃に実家の畑でしていた以来。楽しくてあっという間に終わってしまった。写真は掘ったあと。 …

マーティン・エデン

映画はバターにナイフが入っていくかのようにすっと滑り出す。船乗りの男マーティン・エデン(ルカ・マリネッリ)は令嬢エレナ(ジェシカ・クレッシー)の家を初めて訪れた日にドビュッシーの「パスピエ」を三度聞く。始めはおそらく彼女が別室で弾いている…

平日の記録

結婚記念日に、東京ステーションホテルのゲストラウンジ・アトリウムでディナー。事前に館内ツアーが付いており、いつも見上げているドームを内側から眺めることができた。屋根裏の、天上高9メートルの空間での食事はいつもより美味しく感じられた。写真はブ…

結婚は慎重に!

インディアンムービーウィーク2020にて観賞。2020年、ヒテーシュ・ケワルヤー監督、アーユシュマーン・クラーナー主演。同性間の性行為を「不自然な違法行為」と定めた刑法377条につき、2018年にインドの最高裁判所が憲法違反の判決を下した事実が下敷きにな…

マティアス&マキシム

冒頭、同年代の男ばかりの集まりでマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)の「ケーキに火をつける、じゃなくろうそくに火をつけるだろ」という発言が肴にされる(撮影までされておりスマホで映像を見せつけられる)が、そのうち、「言葉警察」と…

メイキング・オブ・モータウン

ベリー・ゴーディいわく「おれの仕事は才能を最大限、引き出すこと」。スモーキー・ロビンソンを作詞作曲の生徒の第一号とする彼が自身を先生になぞらえることもあり、校長の口から語られる学校の誕生から終焉までの物語といった感もある。エンドクレジット…