永川から越してきたギョンファン(シム・ヒョンソ)の「大邱には何でもあって最高だ」にジェミン(ヒョン・ウソク)は「最高かどうか分からない、ここではあったものがすぐなくなってしまう」と返す。globeのDEPARTURESを分け合って聞くバスの外の夜景は、共…
小児科センターは裁判所の命令により4歳のアダムから離れない母親レベッカ(マリア・バルトロメイ)を引き離さねばならない。医師は警備員を呼ぶはセンター長は警備を呼ばずに連れ出せと言うは、そんな中、何とかレベッカの力になりたい看護師長ルシー(レア…
アイルランド映画祭にて観賞。2025年アイルランド、デミアン・マッキャン監督作品。全編アイルランド語の本作の原題Aontasは組合や連帯という意味だそう。映画は誰のものか分からない血を浴び茫然とした老女コート(ブリージ・ブレナン)の顔に始まり、『メ…
(以下「ネタバレ」しています)ルーシー(ダコタ・ジョンソン)がマッチメーカーにとって「宝の山」である結婚式場でふるいコーラにビールを差し出すジョン(クリス・エヴァンス)に再会してのハグが強烈だなと思っていたら、そこに答えがあった。振り返る…
同居人が行きたがっていた、小豆沢の倉を改装した本屋&カフェへ。apollonのコーヒーにバスクチーズケーキとバナナケーキ、どれもやさしい味だった(ケーキの写真は食べる前に撮るのを忘れたので無し)。帰りに志村銀座通りを往復してマルフクベーカリーでお…
アイルランド映画祭にて観賞。2025年、アイルランド・イギリス、ブレンダン・キャンティ監督作品。出演しているKabin CrewのSound of the NorthsideのMVが流れるエンドクレジットにあったかく楽しい気持ちになった。時に口元へ持っていく母の形見のペンダン…
「英語の先生じゃなく進学指導の先生と会ってた、うそをついたのは将来のことを考えたくないから」という、短編『アフター・スクール・ナイフ・ファイト』(2017年)の登場人物のセリフは忘れ難い。その後に本作を見たら、その他の作品は分からないけれど、…
EUフィルムデーズにて観賞、2024年ルーマニア、エマニュエル・パルヴ監督作品。17歳の青年アディが電気を点けずにいた部屋が父親によって照らされた後の場面がまず辛い。服をひん剥かれるなどされるわけでなくとも、両親や警察など大勢の大人に取り囲まれて…
EUフィルムデーズ クラシック・セレクションにて観賞。1988年ドイツ、ヘルケ・ミッセルビッツ監督作品。ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ、映画は監督のスタート地点である踏切に始まる。救急車の中で生まれたそうだ。ドキュメンタリーを、対話のそれを作るわ…
EUフィルムデーズ クラシック・セレクションにて観賞。1975年フランス、リリアーヌ・ド・ケルマデック監督作品。アロイーズ・コルバスの絵を講義で取り上げる年配の男性が「男性の描写には嘲笑と冷酷が見られる、彼女の熱狂的な愛を拒んだ相手への…」と話す…
EUフィルムデーズ クラシック・セレクションにて観賞。1969年リトアニア、アルーナス・ジェブリューナス監督作品。私には母親に片思いする女の子の話に思われた。母親とて娘を愛しているが、暗い窓辺で自分を待っている彼女に帰るなり「今日は誰か来た?」、…
EUフィルムデーズにて観賞、2025年アイルランド、ウクライナ、フランス制作。アイルランドのガー・オルーク監督がウクライナ、オデーサ近郊の塩湖に面するサナトリウムの2023年の夏を収めた作品。ソ連時代に建てられた施設の現在の稼働率は20パーセントもい…
刺繍アーティストのサル・サランドラにインスパイアされた作品とのことで、情景を重ねていくスタイルは刺繍のようだと思った。どこかへ向かう、何かが結実するというより、存在する幾つもの真実を提示してくるような映画。アリスがモチーフの刺繍があったけ…
ワヒド(ワヒド・モバシェリ)が医者へ行かないのは、殴られて傷ついた腎臓と共にある状態から抜け出せないからだろう。私だって身近にいたら病院へ引っ張って行きたい程だろうけど、当人以外が決められることではない。彼は初対面のシヴァ(マルヤム・アフ…
イタリア映画祭にて観賞、2025年グレタ・スカラーノ監督作品。『山逢いのホテルで』(2023年スイス・フランス・ベルギー)『私のすべて』(2024年フランス)などは障害のある息子を一人つきっきりで育てる母親が生き方を見直す話だったが、これは「面倒を見…
イタリア映画祭にて観賞、2025年パオロ・ヴィルズィ監督作品。雪が降りしきる中、荒れ果てた厩舎で一人その日を暮らすアドリアーノ(ヴァレリオ・マスタンドレア)。弁護士事務所の同僚ジュリアーナ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は「人と関わればうつ…
最初に提示される第3章の終わりには、この章が「何」であるかがはっきりする。私は子どもの頃からあのように感じているから原作小説は知らないけれど見当がつき、とはいえ解釈の違いがあるからこそ色々と面白かった。例えば教師のマーティー(キウェテル・イ…
イタリア映画祭にて観賞、2025年ラウラ・サマーニ監督作品。「あいつは二人のキスを見て動揺したんだ、お前のせいだ」「なんで私だけ?二人でキスしたのに」(自動ドアの向こうにハグで慰め合う男二人、うち一人がキスの相手)に端的に表れているように、男…
イタリア映画祭にて観賞、2025年リッカルド・ミラーニ監督作品。いつどこにでも起こりうる話とはいえどうしても『ローカル・ヒーロー』(1983年アメリカ)が思い出され、最後にバート・ランカスターがヘリで到着して一件落着なんでしょ?と見ていたんだけど…
イタリア映画祭にて観賞、2025年マルゲリータ・スパンピナート脚本監督作品。「浜辺の貝はひとりぼっちだったけれど波と風の音に育てられた」というお話を大好きなベビーシッターにせがんでいた少年ニコ(マルコ・フィオーレ)は、彼女が結婚する夏、高齢の…
「水俣病公式確認70年によせて 土本典昭監督特集」で『水俣 患者さんとその世界』と続けて観賞。チッソ水俣工場を見下ろす丘で聞く「チッソの歩みは資本主義と日本の歩みそのもの」。朝鮮の興南工場の設立には大使(政府)が介入して二束三文で土地を買い叩…
後輩の運転する車の鏡を見ながらようじで歯をせせるのに登場するイ・ジョンウンとは少し前までそうそう見られなかったものだ(大好きなドラマ『デッドロック 女刑事の事件簿』(2023年オーストラリア)などに比べたら全然小綺麗なものだが)。彼女演じる中年…
シリアでは多くの子どもが破壊や占拠により学校を失ったが、イギリス北東部のかつて炭鉱があった町でお腹を空かせ「私がいなくても学校には関係ない」と帰ってくるリンダもまた学ぶ機会を奪われていると言える。ポテトチップスだけの食事で倒れた彼女を送っ…
新しいカフェに行った記録。 品川での予定の前に時間があったので、大井町トラックスのレジュドベベで看板「4種のパンメニュー」。パンは美味しく、風があるせいか他に誰もいなかったけれどテラス席から電車も見えて最高だった。 三省堂書店神田神保町本店の…
シアター・イメージフォーラムのギィ・ジル特集上映で長編デビュー作と次作を続けて観賞。『海辺の恋』(1964年フランス)がその時々の自分に合う場所を求める男達の話なら、『オー・パン・クペ』(1967年フランス)はそんな場所などなかったら?という話で…
「ペルーの公用語の一つであるケチュア語の映画としてペルー映画史上最高の興行収入を記録した」との宣伝文に惹かれて見に行ったんだけど、それこそが一番の肝だった。自分の言葉の物語を欲する話、それを映画の中でも外でも実現する話なんだから。アンデス…
「羊山公園芝桜の丘」は今年で25周年…ということは最初の頃から行っているわけだけど、満開の時期が以前は大型連休中だったのが次第に早まりいまや新学期が始まるのとそう変わらない。ちょっと驚きだ。 行きのラビューでは私が作った焼いた鯖とゆで卵とすん…
サム・フリークスVol.34にて「ライヴ映画2本立て」を観賞。 ▼『スターストラック わたしがアイドル!』はジリアン・アームストロング1982年、オーストラリアでの二本目の監督作品。オープニング、電話ボックスの中のジャッキー(ジョー・ケネディ)の左右違…
「ドラゴンじゃなく獅子」と後で息子二人(車の後部座席の片側にくっついて座っている)に訂正される行事の会場の隅にぼんやり腰かける、居場所のない男アレックス(ウィル・アーネット)。それがひょんなことからコメディクラブで喋って居場所を得る。私は…
それぞれの家でお前には将来などないと…女であるアグネス(ジェシー・バックリー)は結婚できないと、男であるウィリアム(ポール・メスカル)はろくな仕事ができないと…軽んじられている二人がパートナーになりそれらを達成する話である。出会いの一幕の後…