2020-01-01から1年間の記事一覧

おらおらでひとりいぐも

桃子さん(田中裕子)の「地球の記憶」の映像に続く炬燵にお茶とみかんの彼女の姿に、雨の晩にこうして屋根があるところに居られるって素晴らしいと思う、文明の元では保証されるべき、生き物の根源的な幸せとでもいうか。そこから「おらだばおめだ♪」が音楽…

週末の記録

紅葉を見に昭和記念公園へ。初めて行ったんだけど、広さに驚いた。回り切れなかったからまた行きたい。 新米の季節。最初の晩は生鮭の焼いたのをメインに、前日のすきやき風をリメイクしたものや私が煮た切干大根とがんもなどを並べた。記念公園へもおにぎり…

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

なかなか時間が進まないなと見ていたら、一、二枚目のアルバムの後に体感としてはすぐに「ラスト・ワルツ」の話になる。私のような無知な者が馴染みのある部分だけじゃないかと思うも、序盤に語り手のロビー・ロバートソンが口にする「あの頃の僕らは美しか…

週末の記録

二年に一度くらい私に訪れる、ビタントニオのベーカーでワッフルを焼く気になる日。 添えるベーコンは狙い通りカリカリにできたけれど、ポーチドエッグは失敗して固まってしまった。でも美味しく食べた。甘い方には蜂蜜で煮たオレンジをのせた。 日曜日のお…

パピチャ 未来へのランウェイ

とにもかくにも恐ろしい映画だった。映画ならでは、ではなく現実を反映した恐怖。映画は主人公ネジャマ(リナ・クードリ)と友人ワシラ(シリン・ブティラ)がタクシーの中に自分達の世界を作ることに始まる。この夜から翌朝までは彼女達の領域はかろうじて…

スタートアップ!

脚本監督のチェ・ジョンヨルの前作「グローリーデイ」(2015)は、韓国の男性は美しく生まれるがみな汚れてしまうという話だった。原作付の本作では(言わずとも誰もが知っている)その理由がまずはっきりと口にされる。「ファイナンシャルって何だか知って…

週末の記録

モンブラン。 土曜のデザートに同居人が作ってくれたのは、まだたくさんあるさつまいも餡(これがモンブラン、ね)にラムレーズンを混ぜて、りんごのスライス煮と重ねて包んで焼いたパイ。美味しかった。 日曜の夕方の休憩は、コメダ珈琲店のシロノワール く…

最近見たもの

▼キーパー ある兵士の奇跡ジョン・ヘンショウの顔を見ながらふと、そういやこれ、イギリス・サッカーものだったと気付く(知っていたけど忘れていた)。更に話が進むうち、これは死なず生き延びた人間の話なのだと分かる。語弊があるかもしれないけれど、こ…

薬の神じゃない!

雨の晩に主人公チョン・ヨンが言い放つ、それを口にしたらおしまいの「おれは患者でもないのに」。後に義弟のツァオ刑事が患者にすがられる際の「誰だって何時この病気になるか分からないよ」なんて、言わなくていいはずの言葉なのだ。社会が言わねばならな…

アイヌモシリ

何かを見つめる少年の顔のアップに次いで彼の母親(と後に分かる、クレジットで「本当の」母親だと更に分かる)が観光船でアイヌの楽器を演奏する姿。お客の側で見始めたのが、続く観光アナウンスの中で朝食をとる少年の場面でこの地での、「普通じゃない」…

週末の記録

土曜日のお茶と日曜日のお茶。 土曜のデザートに作ってもらったのはさつまいもあんを使ったパンプキンパイ。バニラアイスにシナモンをふって。濃厚で美味。 日曜の夕方には外苑いちょう並木のシェイクシャックへ。同居人はたまに飲みたくなるというルートビ…

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ

これこそ見た人により反響が異なる映画だろうけど、私は前日のニュースで知った最高裁の判決を重ねてしまった。正社員として働くのは「正当」、お金を払って住むのは「正当」、でもそうしたことの上に位置する何らかは正当な人々とそうあれない人々との格差…

週末&平日の記録

先週掘って寝かせておいたさつまいもを使って、同居人がモンブランと大学芋を作ってくれた。大学芋は何年も食べていなかったのをふとリクエストしてみたんだけど、大ぶりに切ってじっくり揚げての出来たて、超美味しかった。冷たくなったのも美味しかった。 …

82年生まれ、キム・ジヨン

キム・ジヨン(チョン・ユミ)が「みな他人事で、私だけが頑張ってる」と言う時、そうだ、向かいに心配そうに座る夫チョン・デヒョン(コン・ユ)こそいつだってそうだったとつくづく思う。「子育てを手伝う」ってあんたの子なのに?「育児休暇を取るのは君…

僕の名はパリエルム・ペルマール

インディアンムービーウィーク2020にて観賞。2018年、マーリ・セルヴァラージ監督。ダリト出身の「弁護士志望、パリエルム・ペルマール」は法科大学で中間カーストのテーヴァル出身のジョーと親しくなるが、彼女の親族から酷い仕打ちを受ける。カースト差別…

週末の記録

十年ぶりくらいの川越。 早めのお昼はがらがらのレッドアローにて、私の作った美味しいおにぎり三種とぺらぺらの卵焼き。 駅からバスに揺られて芋掘りへ。子どもの頃に実家の畑でしていた以来。楽しくてあっという間に終わってしまった。写真は掘ったあと。 …

マーティン・エデン

映画はバターにナイフが入っていくかのようにすっと滑り出す。船乗りの男マーティン・エデン(ルカ・マリネッリ)は令嬢エレナ(ジェシカ・クレッシー)の家を初めて訪れた日にドビュッシーの「パスピエ」を三度聞く。始めはおそらく彼女が別室で弾いている…

平日の記録

結婚記念日に、東京ステーションホテルのゲストラウンジ・アトリウムでディナー。事前に館内ツアーが付いており、いつも見上げているドームを内側から眺めることができた。屋根裏の、天上高9メートルの空間での食事はいつもより美味しく感じられた。写真はブ…

結婚は慎重に!

インディアンムービーウィーク2020にて観賞。2020年、ヒテーシュ・ケワルヤー監督、アーユシュマーン・クラーナー主演。同性間の性行為を「不自然な違法行為」と定めた刑法377条につき、2018年にインドの最高裁判所が憲法違反の判決を下した事実が下敷きにな…

マティアス&マキシム

冒頭、同年代の男ばかりの集まりでマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)の「ケーキに火をつける、じゃなくろうそくに火をつけるだろ」という発言が肴にされる(撮影までされておりスマホで映像を見せつけられる)が、そのうち、「言葉警察」と…

メイキング・オブ・モータウン

ベリー・ゴーディいわく「おれの仕事は才能を最大限、引き出すこと」。スモーキー・ロビンソンを作詞作曲の生徒の第一号とする彼が自身を先生になぞらえることもあり、校長の口から語られる学校の誕生から終焉までの物語といった感もある。エンドクレジット…

ブリング・ミー・ホーム 尋ね人

映画の序盤、ジョンヨン(イ・ヨンエ)とミョングク(パク・ヘジュン)が車で拾う青年スンヒョン(イ・ウォングン)に何て素敵な笑顔だと思っていたら、後に自分の馬鹿さ加減を知ることになる。彼はそれを「捨てられないために」身に着けたのである。日頃、…

週末の記録

週末のデザート。 パステルの東武百貨店池袋店限定、スイートポテトのモンブランプリン。甘くてゴージャス。 同じく東武で開催中の秋の大北海道展にて買った、KINOTOYAの焼きたてチーズタルト。ふわふわで美味。

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話

世界一タフじゃなきゃ務まらない仕事人の話に、ヴァンサン・カッセルとレダ・カテブがはまっていた。斜めに座って監査局の調査人を迎えたブリュノ(カッセル)いわく「それじゃあなぜ皆はここに連絡してくるんだ、頼るんだ」。映画の終わりに出る「代替手段…

平日の記録

モンブランの季節。 ドトール珈琲店にて、この日から始まったというモンブランと自家製珈琲ゼリーのパフェ。栗とコーヒーゼリー、案外合う。 更にほうじ茶の味が加わったのが、ロイヤルホストの渋皮栗とほうじ茶のモンブランパフェ。小ぶりながら底のナッツ…

バッド・レピュテーション

シネマート新宿で開催中のロックドキュメンタリー特集「UNDERDOCS」にて観賞。ジョーン・ジェットの人生をまとめた2018年作品。▽オープニング、親にねだってギターを買ってもらったという話に合わせて女の子がギターを抱える広告写真。ジョーンが実際に見た…

マイアミ・ブルース/サム・フリークス

特集上映「サム・フリークス Vol.9」にて二作を観賞。 ▼「マイアミ・ブルース」(1990/アメリカ/ジョージ・アーミテイジ監督)は詐欺師の男と大学生の女のしばらくの物語。「何歳?」に始まり「『ペッパー』?」の笑いで締められるジュニア(アレック・ボ…

週末の記録

京王アサヒビアガーデンの最終日に滑り込み。混んでいたら帰ろうと思っていたけれど空いていた。こちらとしては都合がいいものの寂しくもあり。 お酒は私がビアドロップス、同居人は飲みたいものが売り切れで冷酒を頼んだらこんなコップに入ってきた(笑) …

行き止まりの世界に生まれて

そうなんだよね、山の映画やスケートボードの映画はカメラマンもその達人なんだよね、しかもこの映画は撮影している監督が仲間なんだよねと見始める。ロックフォードをスケートでゆく青年達は、街中に人どころか車もまばらなためか(早朝だからかと思いきや…

シリアにて

「換気の悪さに息が苦しくなる映画」というのがある。近年じゃあれもそうだった、と思い出してみればこれも元シリア兵の監督がシリア人移民・難民の労働者を描いた「セメントの記憶」だった。本作では窓を開けてもいるし換気扇だってありそうだけど、セリフ…