グリーン・ホーネット




「こんなに楽しいの、初めてだ」
「僕もだよ」


あの「グリーン・ホーネット」の映画化…といっても原作?は知らず。公開初日、ミラノ1にて2D字幕版を観賞。場内は3、4割の入り。


監督のミシェル・ゴンドリー、主演のセス・ローゲン、いずれも苦手なんだけど、楽しく観られた。
作中、ジェイ・チョウ演じるカトーがビールのフタを二つ同時に飛ばすシーン。予告編では途中で切れてるので、どこに当たってどうなるのかな?と思っていたら、ただ「かっこよく飛ばす」だけで、何事もなく床に落ちる。ゴンドリーの物語って「楽しくやる」ことが大事で、結果がどうとかじゃないのかもなあと思った。
ゴンドリーの映画を苦手な理由の一つは(私にとっては)「過剰な手作り感」なんだけど、本作にはあまりないから、楽しめたのかもしれない。カトーが車やコスチュームを作る場面もタイトで良かった。
「子どもっぽさ」の方は全開。そもそもあんな「ぼんくらコンビ」の話だと思わなかった。「一芸に秀でる」(カトーの場合「一芸」どころじゃないけど)事と「ぼんくら」か否かは関係ない、という当たり前のことが分かる(笑)終盤のあまりに子どもじみたケンカのシーンが楽しい。
ガラスから人命までがんがん破壊していくアクションシーンや、「コクーン」に「サイモンとガーファンクル」、「英語にしろ!」なんて小ネタの数々も笑えた。


ジェイ・チョウが(ドラマ版でカトーを演じた)ブルース・リーの真似をするシーンが可愛かった。
彼の日本での劇場公開作は全部観ている。監督・主演作「言えない秘密」(感想)でのピアノの扱い方が、柔軟かつエネルギッシュで好きになった。今回もわずかながら、ピアノを弾くシーンがある。「言えない秘密」でもそうだったけど、女の子、というかその場のパートナーと遊びながら弾くのがいい。もっとも彼の良さと本作の雰囲気は少々ちぐはぐな気もした。キャメロンも楽しそうにしながら、簡単にはなびかないし(笑)