
Apple TV+の無料開放期間中に観賞。2023年アメリカ、エリカ・トレンブレイ脚本監督作品。共同脚本にミシアナ・アリス。
「自分達の文化と繋がっていていいのよ、私達は尊重する」などと言ってのける白人女性のナンシーから「サプライズよ、習わせてあげる」とバレエシューズを渡された13歳のロキ(イザベル・ドゥロワ=オルソン)は、パウワウ(先住民がファンシー・ダンスを踊る集会)はダンスのクラスとは違う、ただ皆で踊る、ママが隣で踊ってくれると絆を感じると返す。ここで冒頭からロキがおばのジャックス(リリー・グラッドストーン)と同じように服を着て同じように脚を広げて座り同じように腕を組んでいた姿がよみがえる。そこに絆が生まれるのであって、ロキに久しぶりに会い「大きくなって…」と言うようなフランク(シェー・ウィガム)とナンシーには親権を持つ権利などないということだ。そしてカユーガ語での「おば」が「もう一人の母」という意味だとの終盤のやりとりに至る。この映画はダンスにお守り、言葉など先住民の文化がまさに生きているということを重ねて訴える。
大人のジャックスは夜は一人、失踪した妹タウイが働いていたストリップクラブに出向き、女を下に見ている男達にタウイの件を尋ねて回る。レズビアンの彼女は「仕事じゃない、一緒にいたいから」と言うダンサーのサファイア(クリスタル・ライトニング)の衣裳にチップを挟み、あなたをリスペクトしているから払う、お金を払うのは意思表示だと言う。お金を払ったろうと推測される事態はあっても、作中ジャックスがお札を手渡すのは心を許しているロキとサファイアのみであり、白人男性から「女」であることを利用して車と財布を盗むのに始まる伯母と姪の窃盗の数々は、自分達を尊重しない社会、ひいては国には尊重を返さないという意思表示に見える。生理の血で警官の車を「血だらけにしてやった」というのも初めての反抗描写で面白かった。