『ワンダー 君は太陽』(2017)でオジーを苛め退学させられたジュリアン(ブライス・ガイザー)は新しい学校に馴染めず、転校のせいでということばかりに固執している。「これからは意地悪も親切もしない、normalに生きる」と言う彼の言葉に祖母サラ(ヘレン…
「フレデリック・ワイズマンの足跡 1967-2023 フレデリック・ワイズマンのすべて」にて初日に観賞。『チチカット・フォーリーズ』(1967)の、ここで終わると予想する楽しみを与えないラストに少々びっくりしていたら、続く翌年製作のこちらのオープニングで…
映画はムンバイの道々で裸足で遊んだり踊ったりする子らに始まる。そのうちそこから生まれたマニーシュ・チャウハンが登場し思いを語りタイトルが出る。彼がダンスを始めた切っ掛けだという映画のワンシーンはインドの若者達が普段着(に見える服装)で男女…
東京フィルメックスにて観賞。2024年インド・フランス・アメリカ・ノルウェー、シュチ・タラティ脚本監督作品。男女で勉学の場が分かれていた、女子に機会はなかったと言う母のアニラ(カニ・クスルティ)の時代から娘のミラ(プリーティ・パニグラヒ)が監…
東京フィルメックスにて観賞。2024年アメリカ、コンスタンス・ツァン脚本監督作品。ニューヨークのクイーンズ、客は男ばかりのマッサージ店で、禁止の「サービス」で受け取ったチップを自分の財布にしまい、提示の金額からの不足分をその財布から出す序盤の…
スイスアルプスの山間のホテル。クローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は指をさっと舐めて捲った雑誌からダイアナ妃の写真を切り抜き、馴染みのウエイターの青年からチップと引き換えに得た情報で「明日帰る」ような男の席について彼が住む街について聞く…
11月最後の週末、恒例の花園神社の三の酉へ。少し早めに行ったので参道も歩けた(いつもは動かず進まないので脇から抜けて帰らざるを得ない)。 夜おやつ用に伊勢丹のCONGALI文明堂で季節限定、スイートポテト味の黄色いこぐま焼きを購入。ほんとの芋の味が…
フィンランド映画祭にて観賞。2024年フィンランド、ヴィルピ・スータリ脚本監督作品。最初に出る年号が「2022」であるのに、実に今の話だなと思う(制作に年数の掛かったドキュメンタリーを見ることも多いので。それはそれだけの時間が必要だからだけども)…
フィンランド映画祭にて観賞。2023年フィンランド、カトゥヤ・ガウリロフ共同脚本監督作品。スコルト・サーミ語で撮影された初の長編映画だそう。上映前のメッセージ映像の最後に監督がキートス!に続けて言っていたのが、この言葉での「ありがとう」かな。…
難民映画祭のオンライン上映にて観賞。原題Peace by Chocolate、2021年カナダ、ジョナサン・カイザー監督作品。「実話に基づく」映画はシリア内戦の爆撃映像をオープニングに、レバノンの難民キャンプを経て第三国定住によりカナダへ移動した一家の困難と「…
フィンランド映画祭にて観賞。2024年フィンランド・エストニア、ミーア・テルヴォ脚本監督作品。題材は1984年にラップランドのイナリ湖にソ連がミサイルを落とした事件。エストニアから亡命してきたという科学者の女性にはモデルとなった人物がいるのだろう…
ポーランド映画祭にて観賞。2023年ポーランド・セルビア・リトアニア、DKウェルチマン&ヒュー・ウェルチマン監督作品。ヴワディスワフ・レイモントの原作小説は未読。物語は秋の章に始まる。土地の問題に縛られる農民の村で「あの雲を掴んで上っていきたい…
ボジョレー・ヌーヴォーが届いた日の食卓は、フィッシュアンドチップスにオニオングラタンスープ、春菊のサラダを作ってもらった。どれもルイテットに合い、食べて楽しい。サラダはスーパーで安かったヤリイカをバターで炒めたのやら柿のスライスやら具沢山。…
特集上映「ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク」にて観賞、1983年アメリカ作品。このような映画に接すると、それによって数多の女性が道を切り開いてくれた作品を見るのが辛いという、私の非理性的で薄情な、でも他人にとやかく言われる筋合いのない…
難民映画祭のオンライン上映にて観賞。原題Rosemary's Way、2020年オーストラリア、ロス・ホーリン監督作品。オーストラリアのパラマタ警察の多文化連絡調整官であるローズマリーを追ったこのドキュメンタリーを見ると、同じように人を救っている人はたくさ…
グレッグ・アラキの「ティーン・アポカリプス・トリロジー」のうち、このたび公開されたデジタルリマスターかつディレクターズカット版の二作を観賞。 ▼「グレッグ・アラキによるヘテロセクシュアル映画」との痛快な皮肉で始まる『ドゥーム・ジェネレーショ…
難民映画祭のオンライン上映にて観賞。原題The Staging Post、2017年オーストラリア、ジョリオン・ホフ監督作品。2013年、オーストラリア政府に受け入れ拒否された主にアフガニスタンでのタリバンの迫害から逃れてきたハザラ(民族)の人々が留まるインドネ…
OUTCAST FILM FESTIVALを機にMadeGood.filmsで見られると気付いて観賞、1995年イギリス、キム・ロンジノット監督作品。歌舞伎町の「おなべバー」ニューマリリンで働くガイシュ、カズキ、タツのホスト3人を捉えたドキュメンタリー。気心の知れているであろう…
MadeGood.filmsにて観賞、2020年ノルウェー、ベンジャミン・リー監督作品。2015年にオスロのギャラリーで起きた絵画盗難事件を切っ掛けに始まる画家と泥棒の交流を描くドキュメンタリー。映画の作りが凝っている(ように見える)ため、あんなにも色々なこと…
「獣医の指導のもと安全に撮影しました」との文のあと、予告編にも使われている、ミンサン(ユ・ヘジン)が持ちビルの自宅から出勤する際いつものように犬のうんこを踏む場面で映画が始まる。コメディふうにだけどもまずは犬を飼うことの大変さが描かれる。…
TIFF/NFAJクラシックスの映画監督吉田喜重特集にて、愛知県が企画したビデオ作品二本を観賞。制作は1992年・1993年。愛知県各地に存続する祭事を記録したドキュメンタリーなんだけど、始まって数分で、これらは全て「作り物」なんじゃないかとの思いが湧き上…
東京国際映画祭にて観賞。2024年スペイン/オランダ/フランス/台湾/ギリシャ/アフガニスタン(撮影はギリシャで行われたそう)、ロヤ・サダト脚本監督作品。1978年のアフガニスタン、「革命の犠牲者」の娘として裕福に暮らす共産主義者のスラヤ(モジュ…
東京国際映画祭にて観賞。2024年スロバキア/チェコ、カタリナ・グラマトヴァ監督/脚本/編集/原作作品。「あなたくらいの歳の時はこの村が大嫌いだった、私もおばあちゃんと二人きりだった、部屋だって同じ、でも私にモペットはなかった、それが失敗だっ…
そうだった、本を作るのには糸が要るんだったと思い出すオープニングからの、作り手から読者まで含む「みんな」の本の映画。友情出演のチョ・ダルファンによる詩人の新刊イベントの場面が印象的で、空だった会場がヒョンジン(イム・スジョン)始め出版社の…
コリアン・シネマ・ウィーク2024にて観賞、2022年ペ・ドゥリ監督作品。主人公ナヨン(ユリ)がご飯だよと呼ぶのに子どもが出てくるのかと思いきや食卓に付くのは高校生のソンウン(ヒョン・ウソク)。弟の朝食は勿論、母ジョンオク(キル・ヘヨン)が経営す…
「観察映画第10弾」との文言にもう10作目かと見始めたら、これまでになく監督がカメラの内とやりとりする。外から見たり聞いたりする立場からどんどん離れている…進んでいるってことだろう。「紙を二枚もらったから監督とパン屋さんのところへ行く」と宿題の…
特集上映「サム・フリークス Vol.29」にて愛するジョン・キューザック二本立てを観賞。▼『やぶれかぶれ一発勝負!!』(1985年アメリカ、サヴェージ・スティーヴ・ホランド脚本監督)のような映画を見ると私としてはZAZはやはり別格だと思ってしまうわけだけ…
病院のベッドに横たわり「出生前診断では男の子だったのに…」と沈み込む一家の長男の妻ヌチ(サルワット・ギーラーニ)の様子に、冒頭無邪気に遊んでいた三人の娘が違って見えてくる。この映画で一番印象的だったのは、彼女達が母親や叔母であるムムターズ(…
「映画作家ジャンヌ・モロー」特集にて観賞、1976年フランス作品。私が生まれた頃に、今の私くらいの年齢のモローが手掛けた監督第一作。お付き合い中のトマ(フランシス・ユステール)に食事に誘われれば一人でいたい、花を送ったと言われれば赤い花は嫌い…
外国映画の中の日本にままある、うちら英語表記を使ってるよという箇所がわざわざ日本語に訳され(更に言うなら使わない類のフォントがあてられ)ている描写には白けてしまうが、この映画の「第一処理場」に始まる日本語表記の数々にはそれを感じない。監督…