2021-01-01から1年間の記事一覧

ドライブ・マイ・カー

男がセックスする時に求められることはない「なぜ?」が女には求められる。妻が自分以外の男とセックスしていた理由を彼女の内に求め続け行き詰まっていた男が、そうか、理由なんてないんだと気付くまでの物語である。北上した旅の終わりに家福(西島秀俊)…

週末の記録

韓国旅行の気分。 池袋にオープンしたカフェ ド パリ アンポルテで購入した、ミニボンボンの苺とあおぶどう。一番下の層が子どもの頃に食べたゼリーそのものという感じで、昔の夏休み気分。 済州島のマンダリンタルトと苺ヨーグルトチョコレートは実に「お土…

Summer of 85

本当に16歳が書いた物語のようだった。同時に頭からお尻まで、韓国ドラマのラブラインならぬクィアラインとでもいうものにずっと貫かれており、未読の原作だってそうなんだろうけど、その組み合わせと強烈さがこの映画だと思った。アレックス(フェリックス…

子供はわかってあげない

原作も未読なら予告にも遭遇していなかったんだけど、沖田修一の映画は「南極料理人」以降全て劇場で見ているので出かけてきた。振り返ると似ているようで一作毎に違うことを描いてきたんだなと思う。朔田美波(上白石萌歌)の身になったVR的な映像だからと…

平日の記録

新しめのお店。 日本橋髙島屋にオープンした黒澤文庫では、日に5食という苺とホワイトチョコのマウンテンケーキとカフェオレ。ドリンクの大きさにびっくり、頑張ったけど飲み切れず勿体なかった。 西武池袋の三省堂前の馴染みはいつの間にかイー・エー・グラ…

モロッコ、彼女たちの朝

カサブランカの旧市街。アブラ(ルブナ・アザバル)が営むパン屋はそのまま道に面しているし、鍵さえ開ければ近くの女性が家族のようにテレビのリモコンを借りに来る。家と街とは繋がっている(このあたり、少し前に再見した「シルビーの帰郷(HOUSEKEEPING…

愛のように感じた

「17歳の瞳に映る世界」のエリザ・ヒットマン監督の2013年作品。物語はまだ14歳のライラがもうすぐ16歳のキアラに手を取られて…というより手に手を取って先に行く/後を行くのに始まる。私には彼女らが、セックスしなければと思っていた頃の自分とするように…

週末&平日の記録

夏休み。 目白の志むらにてかき氷、「いちご」に「桃と白餡」。餡子が苦手な私もこの白餡を氷と食べるのは好き。同居人はシロップが和菓子屋さんの味だと感動していた。 韓国のマヌルパンを再現したという「俺の罪悪パン」と「漆黒の罪悪パン」。ホットグに…

ウォーデン 消えた死刑囚/ジャスト6.5

第4回東京イラン映画祭にて、時間の合った二作を観賞。いずれも組織内である程度の地位まで上り詰めた男が自身の仕事の内容を見つめ直すという内容で、イスラム革命前と現在におけるそれぞれの問題が描かれている。 ▼「ウォーデン 消えた死刑囚」(2019年、…

ROCKS ロックス

APARTMENT by Bunkamura LE CINEMAにて観賞。2019年イギリス、サラ・ガブロン監督。先の日曜日に「シルビーの帰郷」(感想)を見たところだから、冒頭ロックス(ブッキー・バックレイ)のママがハグして手を取って娘を送り出す姿に、位置こそ逆だけど、そう…

グレゴリーズ・ガール/シルビーの帰郷

特集上映「サム・フリークス Vol.14」にてビル・フォーサイス二本立てを観賞。 ▼「グレゴリーズ・ガール」(1980/イギリス)はスコットランドの男子高校生グレゴリー(ジョン・ゴードン・シンクレア)がサッカーチームに加わった女子ドロシー(ディー・ヘプ…

最近見たもの

▼叔・叔(スク・スク)レインボー・リール東京にて観賞、2019年香港、レイ・ヨン監督作品。引退するかしないかというタクシー運転手パクと既に職を退いたホイの恋物語。おそらく何かに気付いている息子の「音量を下げて」にベッドに小さくなるホイの姿に被る…

親愛なる君へ

夜景を見る三人の後ろ姿。息子ヨウユーを肩車したリーウェイ(ヤオ・チュエンヤオ)の手が、並んだジエンイー(モー・ズーイー)の手と繋がれている。これだけで、リーウェイ亡き後にジエンイーがヨウユーの、加えてリーウェイの母シウユー(チェン・シュー…

連休の記録

白いおやつ。 同居人が作ってくれたマリトッツォはミニバーガーバンズを使ったもの。アーモンドと、案外生クリームと合うスイカを切ってどこかで見たように貼ってみた。楽しく美味しい。 私が作ったブラマンジェは片栗粉で作る簡易版。餅の苦手な自分にはも…

プロミシング・ヤング・ウーマン

オープニングクレジットでキャットコールしてくる奴らをキャシー(キャリー・マリガン)がじっと見るのもそうだけど(経験上、確かにこの行為には一定の効果がある)、彼女の、私達を見据えて誘導してからの「お前は何をした/してるんだ」との問い掛けによ…

週末&平日の記録

梅雨明けの麺。 上島珈琲店にて。

17歳の瞳に映る世界

旅行をする時には同居人が荷物をまとめて持ってくれる。私より身体が大きく体力もあるからという理由だろう、ありがたいことながら、荷物を預けるのにも覚悟が要る、持ち物は「自分」でもあるから。この映画のスカイラー(タリア・ライダー)が二人分の荷物…

ブラック・ウィドウ

映画で一億回は見てきた「データ転送中」の場面でナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)が炎の中に一人残って取り戻すのが「女の顔」。ドレイコフ(レイ・ウィンストン)が彼女の話術にのせられ嬉々として「おれは有り余る資源、girlsを上手く利…

東京クルド

「入管に嫌味ばかり言われるけど(嫌味どころじゃないけど、それでもまだ「嫌味」と言えたのだ、この時は)安全なだけ、いい」と9歳の時に日本へ渡ってきたラマザン。その「根拠」は冒頭に置かれた2015年の在外投票時に起きたトルコ人とクルド人との間の暴力…

週末&平日の記録

苺とメロン。 いちびこのいちごのビスキュイといちごのモンブランタルト。後者は栗のペーストと合わさったねっとりした感触、どちらも凝った味。 ロイヤルホストでは焦がしメロンのブリュレパフェ。私は実はメロンがそんなに得意じゃないんだけど、色んな素…

走れロム

映画が始まるや「当局の検閲を受けた修正版である」との文章。となれば最後に出る「デー(正規の宝くじ制度を利用した闇くじ)はベトナムの労働者を苦しめる社会問題であった」との過去形の一文は検閲対策であり、今なお大きな問題なのだろうと考えた。もし…

壁画・壁画たち/ブラックパンサーズ

新文芸坐のアニエス・ヴァルダ特集Part4にて観賞。▼「壁画・壁画たち」(1980/フランス=アメリカ)。ロサンゼルスに入ったヴァルダは「広告」との対比で「壁画」の紹介を始める。すなわち壁画とは広告の逆の存在…「目立たず、急に表れて、微笑んではいない…

わたしはダフネ

オープニングから印象的な、ダフネ(カロリーナ・ラスパンティ)の赤く染めた髪とピンクのジャケット。作中にはスーツケースや枕など彼女の持ち物だけじゃなく病院の案内線から建物のエレベーターの扉まで、濃いピンクが頻出する。彼女が「私は自分のお金も…

週末の記録

東急プラザ銀座地下の台湾カステラケーキ専門店・台楽蛋糕にて、その時間帯、最後の一つだったプレミアムプレーンを購入。箱を開けたら何とも言えない昔っぽい匂い。 そのままでもいいけれど、生クリームに缶詰のパインと桃を添えてもらったら可愛く美味しか…

トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング

「ネッド・ケリー」というと、虐げられている者達にとっての家長とは、という考えがふと浮かぶ。国が後ろ盾にならないのだから家の中ばかりを向いていられなかったはずだ。アイルランド女のエレン(エシー・デイヴィス)は立派な男とは「力を世界に見せつけ…

1秒先の彼女

お話的には二つの要素が面白く絡み合っている。一つは予告から落語の「長短」をイメージしていた、「ワンテンポ早い」と「ワンテンポ遅い」の組み合わせ。もう一つは、作中で言う「恋が記憶を作る」…物(記憶)を失くしてしまうのは重要じゃないからだ、恋を…

グリード ファストファッション帝国の真実

金絡みの酷いニュースが日々更新される現実を生きる中、その酷さを写し取ったようなこの映画をいつまでも見ていたい(酷いと認識している人がいると実感できるから、変な言い方だけどそれだけでも慰めになるから)と奇妙な感じを覚えながら見ていたら、ある…

週末の記録

週末のケーキ。 コーヒーパーラーヒルトップでは、ホテルのロゴ入りベイクドチーズケーキに水出しコーヒー。よい時間。 近江屋洋菓子店のレモンパイは、しばらく前に行った際に売り切れで残念がっていたのを同居人が覚えていて、予約しておいてくれたもの。…

ベル・エポックでもう一度

私の思うフランスが詰まっていたけれど、それでもこのギョーム・カネ(私としては本作の主人公は彼)は、ハッピー・マディソン製作じゃない映画に出ている時のアダム・サンドラー(の10年位前)に見えてしょうがなかった。 心の離れてしまった愛する人との出…

EUフィルムデーズ2021

EUフィルムデーズ2021のオンライン配信で見た作品の、短い感想。 ▼ユニコーンを追え(2019年エストニア/ライン・ランヌ監督)エストニアの、こんなふうにリアルでカジュアルな感じの映画は初めて見た。「やり直しのきかない国」で男ばかりのスタートアップ…