義兄弟



国家情報員ハンギュ(ソン・ガンホ)は、ソウル市内で起きた銃撃事件において北朝鮮工作員を取り逃がした責任を負い失職。6年後、彼の前に姿を現したのは、事件の際に現場から逃走したジウォン(カン・ドンウォン)であった。二人は互いに、相手が自分の素性に気付いていないと思い込み、探偵稼業のパートナーとなる。


韓国映画のいいところを掬い取って上手くまとめたような感じ。「男二人・スパイもの」なら今年は「フェアウェル」(感想)がお気に入りだけど、こっちは誰にでもお勧めできる作品。冒頭の緊迫した銃撃戦から観客の期待に応えるラストシーンまで、アクション・コメディ・人情ものと、あらゆる要素を味わえる。
美しすぎるカン・ドンウォンが静かな存在感で迫るのに対し、ガンホは動きまくり。登場時のスーツ姿はなかなか目を楽しませてくれるんだけど(ガタイはいいもんね)、「6年後」には汚い部屋に汚い(汚そうな・笑)部屋着。中盤はその一挙一動に場内爆笑。力強くも笑えるパンチや蹴りも結構見られて楽しい。ラストシーンの顔には渥美清を思い浮かべた。


以下馬鹿みたいな感想。
ガンホがテレビのニュースを観て「北朝鮮のやつら、またこんなことしやがって」とつぶやくシーンに、日本人がそう言うのと、韓国人のそれとでは、重みが全然違うんだろうなあと思った。「ベトナム人女性のブローカー」というのも韓国映画で初めて観た。
とあるシーンに出てくるジウォンの妻子が、揃ってカーディガンにロングスカートという格好なので、北朝鮮の女性のファッションってこういうふうなのかな…なんて思ってしまった。