17歳の処方箋


ちょっと前にジェフ・ゴールドブラムのこと書いたとき、そういやコレまだ観てないなーと思い出したので借りてきました(ASIN:B00065UB08


冒頭、豪奢な寝室でスゴイ寝息をたてている母親(スーザン・サランドン)と、彼女を殺すために睡眠薬を飲ませたらしき兄弟ふたり(キーラン・カルキンライアン・フィリップ)。そこからさかのぼって、17歳のイグビー(呼び名の由来は後に語られる/キーラン・カルキン)の逃亡と反抗の日々がつづられるのですが、じめじめとはしておらず、周りの大人たちの様子も結構カラッとしてて、面白い。



その、周りの面々を演じるキャストが豪華。母親のスーザン・サランドンは、良家の奥様だけど、どこか生々しい汚さがある。食事中に「あら、スジだわ」と口からつまみ出す仕草や、身体をわるくしてトイレで吐く様子(半分だけ見える、かがんだ尻が印象的)。高圧的な妻との暮らしから、アタマがおかしくなり病院に入っている父親のビル・プルマン。イグビーとパパの回想シーンはいずれも胸がキュンとしてしまう。
働き手を失った一家を援助しているのが、イグビーの名付け親で資産家のジェフ・ゴールドブラム。大きな身体にいいスーツ着て、何かというとすぐお札を出す。でもちょっとコミカルな感もあり(敬礼シーンがカワイイ!)。ピアノの前に座るシーンがあったので、今回も弾いてくれるのかなと思ったら、4音しか鳴らさなかった。前に楽譜が置いてあったけど、何の曲だったんだろう?
ジェフの愛人のダンサー、というか無職でぶらぶらしてるのがアマンダ・ピート。(役柄上)立ち居振る舞いや口元のちょっと下品なカンジがいい。ジェフと会うのに、ファンデで腕の注射跡消したり、身体チェックしたり、すなわち脱ぐ予定で白いスーツ着てくんだけど、会ってすぐ帰られてしまう(このときのジェフの顔演技も、単純だけど見もの)。
イグビーが惹かれる大学生のクレア・デーンズは、誰だかわからなかった(しばらく見ないと忘れてしまう…)。チョコレートサンデーやアイスばかり食べてる。
イグビーの目から見た大人たちは、皆それぞれだけど、どこか憎めない。
ちなみにイグビーの幼少時代は、カルキン兄弟の末っ子のロリーくん…「サイン」でメル・ギブソンの息子をやってた子。「サイン」と「17歳の〜」は同時期の作品なんだけど、「サイン」ではそれほどお兄ちゃんに似てるとは思わなかったけど、この作品見たら、やっぱりそっくりだ。


「あなたって面白いわね」
「(「面白い」ばかり言わず)面白いんだったら笑えばいいのに」
「(笑ってみせる)こんなふうに?」
印象に残るセリフである、と同時に、演技内演技をみるといつもフシギな気分になる。