告白


のむコレ'21にて。2020年韓国、ソ・ウニョン監督。女性監督に女性メインキャストというのに興味を惹かれ観賞。画にも音にも新しさは皆無だけど(どちらかと言えば古臭いけど)、見たことのないタイプの映画だった。ただ、その「見たことのない」感は作り手の力が話に全振りされているゆえの肉付けの薄さによるようにも思われた。熱量を持った物語なのに、どこか体温の低さというか踏み込みの浅さを感じさせた。

ある朝に公園のベンチで言葉を交わした女二人、交番勤務の警官ジウォン(ハ・ユンギョン)と児童相談所の職員オスン(パク・ハソン)はいずれも職業上の任務からはみ出す行為をしていた(二人が知り合うのも前者のその「はみ出し」が切っ掛け)。ストーキングの被害が出る前に防げないかと声を掛けて回ったり、10歳の少女ボラを虐待している父親に手を上げてしまったり。いったんは分かれるも、奇妙な誘拐事件が彼女らを繋ぐ。

冒頭ジウォンが「女性への暴力撲滅」ポスターのモデルとして写真を撮られている場面に、とかく若い女性がアイキャッチとして利用される社会において、この手のポスターに彼女がふさわしいのだろうかと考えていたら、中盤その意味するところが見えてくる。彼女は「ポスターに書いてあることは実現されねばならない」と考え、この世の暴力撲滅を一手に引き受けんばかりの気持ちでもって生きているのだ。作中最後の言葉が、彼女が当事者だった時に目にした(本国版ポスターにある)「あなたの味方になる」だったことからも、この映画は、何かを言っている人は本当にそれをしているのだろうかとも訴えていると分かる。

ジウォンとオスンそれぞれの職場の仲間は常に彼女達の味方であり、先輩は権力の前でも身を呈して守ってくれる。しかし彼らは仕事においては「わきまえ」を持ち余計なことはしない。それで十分、あるいはむしろ正しいはずである。でも、この映画のストーリーからするとそれは彼らがサバイバーではないからと読めてしまう(明言されてはいないがそう読める)、それが疑問でもあり悲しくもあった。あのポスターには、世の皆でなくとも交番の三人が在ってほしかった。