三遊亭円丈独演会



開口一番(三遊亭あおもり「八九升」)
三遊亭たん丈「代脈」
トーク(川柳&円丈)
三遊亭円丈「豊竹屋」
川柳川柳「首屋」
三遊亭円丈ガマの油
 (中入)
三遊亭円丈「百年目」
 (6/2・東洋館)


圓生噺三席」との副題と内二席のネタ出しがされていた会。初めて行った東洋館は今回の快適な慌ただしさとでも言うような空気には合っていたけれど、座席が狭いので出来ればもう行きたくない。


あおもりさんは川柳に「首屋」の稽古をつけてもらったことがあるそうで、その際に(自分じゃなく)なぜか師匠の方が演るのを見ているんだとか(笑)円生一門が初めて習う噺だという(円丈が以前そう書いていた)「八九升」を「つんぼといってもお年を召して耳の遠くなった方のことで…」と始める。サゲの間違え方が、十年程前に料亭にて一メートル位の至近距離で円丈を見た時、やはり「百年目」の最後をとちったのと同じ間違え方だったのが面白かった(まどろっこしい書き方だな・笑)
円丈一門の特徴として本編に入る前に演目を言うというのがあるけれど、あおもり、たん丈、共に(会の趣旨がはっきりしているからだとはいえ)そうだったのも可笑しかった。後者に至っては「言わない方がよかったかな」と言っていたけれど、それに比べて師匠の貫禄はさすが。


トークの後に上がった円丈は見台に置いたカンペが見えないとハヅキルーペを懐から出して掛けて見せた後、かなり近づかなきゃ見えないから意味がないとまた仕舞う。この距離に合わせて白内障の手術をしたんだと、そういや前から聞いていた。最後の「百年目」では数年ぶりに「古典の円丈・眼鏡取り式」をやった!(笑)
二席目は「金明竹」と「ガマの油」とでリクエストを取り…始めから心はほぼ決まっていたようだけど…後者を選択。円丈の「ガマの油」、大好きだから嬉しかった。しかしこの日のいずれも、特に「百年目」は音源や前に聴いたものと随分違っており驚いた。骨子にして違う飾りを付けたという感じ。「ガマの油」は円生の晩年の高座が好きだったから自分も演るようになった、「百年目」は師匠のを見た時悔しかった、いいなと思うと悔しくなる、悔しくさせられたのは二人しかいない、円生と志ん朝だと。こんなにも会に通っているのに、まだまだ初めて耳にする話がよくよくあるものだ。