円丈コレクション 特別編



三遊亭円丈「金さん銀さん」
三遊亭天どん「渋谷の交番」
三遊亭円丈噺家と万歩計」
 (中入)
三遊亭円丈「らくだ」
 (5/9・お江戸日本橋亭


天どんとふう丈による「前説」の後、羽織無しで円丈が登場。いわく、本の執筆のために落語のCDを200枚(だったかな?)程聴いた、録音されたものの場合、枕で他人を取り上げて笑うのは、その場に居れば面白いんだろうけど、後で聴いてもつまらない、枕の内容は誰も傷つけないものがいい、枝雀みたいな。しょせん娯楽なんだから」。
名古屋の話を始めたので何だろうと思っていたら、「大須演芸場の独演会でやって大ウケだった」という「金さん銀さん」。名古屋出身者の私(と名古屋に親しんでる同居人)は第一声から笑ってしまう。些細な内容なのに面白く、円丈にしか出来ないネタ。
天どんは師匠について「(金さん〜は)ブスなんて言うのに皆笑うんだからすごい、普通なかなか言えない」「師匠がすごいのは、枕にありものを使わない、全て自分で考えてるところ」。確かにそうだ。自身のネタについては、一門お家芸?のうんこも使えばいいってもんじゃない、と思う(笑)
上り直した円丈はウォーキングの枕から「万歩計と噺家」。考えようによってはとても「落語的」な内容なんだけど、つまらなくて眠くなってしまった(笑)


中入後はカンペと共に登場、そのうち「カンペの円丈」と言われるようになったりして、というので笑ってしまう。枕に「明治の頃が一番好き、古いものと新しいものが混ざっているから」。続けてふぐの毒の話と、当時の「屑屋」の説明。
「らくだ・爆笑編」は昨年私が怪我して泣く泣く諦めた「十番勝負」でネタ下ろしされたもの、この日聴けてよかった。「くずやのくずちゃん」が「らくだエリア」に辿り着くまで10分くらい掛かるんだけど、その間のやりとりが、後に活きるわけでも特に面白いわけでもない(笑)更にびっくりしたのは、枕であれだけふぐについて話したのに、らくだの兄貴が屑屋に対して「ふぐで死んだ」ことを言わない(屑屋は後に長屋の人達に話す)。こんな感じで前半はぐだぐだだったけど、お酒を飲み始める場面からはとても良かった。特にこれといった台詞や仕草をするわけじゃないのに、色々伝わってくる。


エネルギッシュなのからつまらないの、楽しいのまで、バランスの取れた会だったけど、私にはいつもより訴えてこず。ワザオギから発売されるCD用の録音を兼ねてるため、落語の音源を聴きまくってる時期だから、色々考えちゃって大人しかったのかな?などと憶測してしまった。