毘沙門寄席



開口一番(柳家あお葉「やかん」)
古今亭菊之丞権助魚」
古今亭志ん八「粗忽長屋
柳亭こみち「応挙の幽霊」
桂三木男「三方一両損
 (中入)
柳家三三「嶋鵆沖白浪より根生院の章」
 (6/24・毘沙門天善國寺書院)


菊之丞プロデュースの毘沙門寄席も今年で9回目…といってもうちらが善國寺で落語を聞くこと自体が数年ぶり。夜席は多分初めてで、背中の方でずっと虫の音が響いているのがよかった。


先日NHK志ん朝のドキュメンタリーを見たところで、矢来町の近くに来てるもんだから、志ん八さんの枕の襲名話に大師匠の志ん朝のことがちらりと出たのが嬉しかった。こみちさんの「応挙の幽霊」は得意の唄もの、私、こういう「幽霊と普通にやりとりする」噺って好きなんだよなあ(「植木のお化け」や、ナマで聞いたことないけど「お化け長屋」など)。「三方一両損」には、この時代、これだけ「江戸っ子」ネタであると強調しないと受け入れられ難いものかと考えた。同じ「変な人」噺でも「粗忽長屋」は出来るのにね。


副題に「三三たっぷり」とあるので何を演るのかと思えば、以前月例会で連続して掛けたという「嶋鵆沖白浪」から一席。前もって決めてたんだろうけど、副題の続き「新真打とともに」だから「おめでたい噺を…」と、子どもも居る会でこれを始めるところは好きだ(笑)昔の湯島あたりの光景が目に浮かぶし、玄若のキャラクターが私好みだし、楽しかった。それにしてもこのような噺での「女」(この場合お花)の存在の「無」であることよ。意思があっちゃあ物語の邪魔なんだよね。