遊雀玉手箱


三遊亭遊雀「強情灸」
三遊亭遊雀岸柳島
桂歌丸「火焔太鼓」
 (中入)
三遊亭遊雀三方一両損
 (10/24・内幸町ホール)


幕が上がり、歌丸の頭を確認した場内から大きな拍手。オープニングの師匠のトークは、先月の大須演芸場出演時に台風に遭った話。雨漏りするので、出番待ちの間、他の芸人さんが傘を差し掛けててくれたそう(笑)
後の高座ではわざわざ着替えて登場。自分が噺家になった頃は、それこそ名だたる大師匠たちも皆、着る物に困っていたという話から古着屋、道具屋の枕。「火焔太鼓」ははきはきオーソドックスなもの。


今回のテーマは「江戸っ子」。一席目の枕でいわく「江戸前にはあっさりという意味もあるから、今日はそんな感じで・笑」と、短い噺の好きな私には嬉しい宣言。二席目の枕では、隅田川に掛かる橋で一番美しいのは東武の鉄橋!と、急カーブをゆっくりと浅草駅に入る車両を体で表現してみせる(笑)川の枕に続くのは「岸柳島」、変な噺だけど、都会の一幕という感じで好きなんだよなあ。
中入後の枕が、歌丸の高座を受けて、というか、この日の演目は全てゆかりがあるためか、志ん生志ん朝の話だったのが嬉しい。志ん朝については一言「クサい」。ちなみに「歌丸師匠もそうだけど、東京と、東京から半径100キロメートル以上離れた地域とでは、高座に上るまでが全然違う」なんて知らなかった。続く「三方一両損」も好きな噺。同じ正直者が出てくる「井戸の茶碗」などは、始まった瞬間に「これからあの場面、あの場面、あの場面を聴くのか〜」と身構えてしまうけど(笑)こちらはさっさと終わるからいい。ちゃきちゃき軽快な会だった。