心技体 vol.13


入船亭辰じん「手紙無筆」
入船亭扇辰「三方一両損
林家彦いち「卒業文集」
 (中入)
柳家喬太郎「提灯屋」〜「館林」
(2/19・なかの芸能小劇場


前座の辰じんさんは元気に「手紙無筆」。枕に師匠のカレーパン話を少々(笑)
同期三人の会だからか、扇辰さんの枕は二つ目昇進時に皆で理事宅を挨拶回りした際の思い出話。江戸っ子ネタを振って「三方一両損」、私は昨年末にスクリーンで観た志ん朝のが染み付いちゃって、啖呵といえば!の扇辰さんでも物足りなく感じてしまった。一方が喋ってる間、もう一方は黙ってるのかな?なんて我に返ったり(笑)
彦いちは高座まで胸の前で腕組みしたまま。新しい上り方かと思ったら「羽織ひもを忘れて」(笑)その話から、以前「寺らくご」で聴いた故郷凱旋寄席?でのエピソード。二度目なのに、いや二度目だからこその可笑しさ。続く「卒業文集」は得意の漫談ぽいところもある新作。村下孝蔵と尾崎と中島みゆき(尾崎を持ち出すのって、白鳥さんと彦いちくらいか?)。話の方は意味が分からなかったけど、楽しい(笑)


中入後の喬太郎は、まず「同期」のホイットニー・ヒューストンについて一言。その後、最近の高座について。この日はタワーレコードでの落語会で「子ほめ」「粗忽長屋」「寝床」をミックスして演ってきたんだそう。「(抽選での無料招待制なので)お客の、金返せ!でもタダだしなあ、という雰囲気を感じて」なんて言葉に、お金って会の空気や演者に影響するもんだなあと改めて思った。確か円丈も以前、適切な料金の大切さに触れていたっけ。
例によってぐだぐだしてみせてから、リクエストタイム。「人情噺」に一名の挙手があり「燃えてきた!」(笑)最近、昇太に「どんな滑稽噺でも口調で人情噺にできちゃうよね」と言われたそうで、それを演ってみようと、再度リクエストを募り「提灯屋」を人情噺風に。5分程で終えて、ようやく本編。可笑しいとか怖いとかいうより、どことなく気味の悪い感じがするのが、いかにも喬太郎らしい。三人とも、くだけつつも自分の持ち味を存分に見せてくれたという感じで楽しかった。