ワン・ダイレクション THIS IS US



時間が合った2D版を観賞。「髪振り」のような飛び道具があった「ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー」(感想)に比べたら、「3Dで見なきゃいけない度」は低いかも。あくまでも「比べたら」ね、彼らが飛び出してきたらそりゃあ楽しいだろうから。
公演後の車中でお前、臭いぞ!という話になり、リアムに「俺って臭い?」と聞かれたカメラマンがカメラを振るのが楽しく、ファンなら3Dどころか匂い付きのが見たいかもなあ、なんて思ってしまった(笑)


5人の幼少時代の写真のコラージュ(自分でも驚いたことに「可愛い!」と声が漏れてしまう・笑)に始まる内容は、まさに「This is us」というタイトルがぴったり。オープニングクレジットからして彼らがboy「s」であることを存分にアピールしてくる。インタビューの答えだって、それぞれの言葉をめまぐるしく繋ぎ合せて見せたりメンバー同士のやりとりで見せたりできるんだから楽しい。ツアー先の会場でバギーを乗り回したりボール遊びをしたりといった「お遊び」の様子には、また比べちゃうけど、ジャスティンの場合は大人相手にふざけてたのが奇矯にも見えたのが、こちらは友達同士でふざけてるから極めて「健全」に感じられ、そういう点ではジャスティンのドキュメンタリーの方が面白かったかな(笑)
ナイルが警備員に変装してファンに近付くくだりや、エンディングの殆どを占める、メンバーが「老人」や「でぶ」などの格好で「イタズラ」をする場面は、彼らのやんちゃぶりが活きててよかった。折角のモーガン・スパーロック監督だしね(笑)


楽屋にスコセッシが訪ねて来る場面があるので(「娘と情報交換してるんだ」なんて言ってたから付き添い?)、そういや彼の撮ったストーンズの「Shine a Light」は揃えた客が皆一様でつまらなかったなあと思い出した。ミュージシャンの種類が違うから仕方ないけど。
本作では勿論、世界中のファンの姿も大きな見どころ。彼らにとってデビューを後押しした「ファン」は特別なものだから、熱を持って撮られている。友達同士抱き合ったり、一人で涙を流したり、カメラに向かってアピールしたりと「個」がしっかり映ってる場面も楽しいけど、「大群」には、映画監督ならこれ撮れたら楽しいだろうなあ、なんて思ってしまった。アムステルダムでファンに見つかり「拡散」され、ナイキの店内に閉じ込められる場面なんてゾンビ映画みたいだし、アレーナ・ディ・ヴェローナから見下ろす画は壮観。それが全部「本物」なんだからね。しかも「やんちゃ」なメンバーはファンに向かって身振りであれこれ音頭を取ってくれる(タモリが「笑っていいとも」でやるようなやつね・笑)から、動きの出ること。


オーディションの時の思い出を語っていわく「集まったのは中流階級の男の子ばかり」…と字幕にはあったけど、労働階級のこと?「デビューしていなかったら工場で働いてるか、消防士になるかしてた」。今や富豪の彼らも「ツアー中の衣装はずっとこれ」とのトップスはサイズのシールが貼ってあるファストファッションのものだったり、コートを用意したスタイリストに「まるで『モデル』みたい!」と笑われたり。同様のカジュアル路線ながらそれぞれのファッションが楽しめるのもグループの利点だ。
睡眠10分で叩き起こされてのレコーディング風景にも驚いた。ツアー先のホテル?に簡易設営して行ってるんだもの。新譜も買う予定だけど、あんなふうに録ってるのかと思うとより楽しく聴けそう(笑)