「クヒオ大佐」については中野翠の文章で読んだことがあり、映画化の話を知って、こんな面白い話をなぜ今まで使わなかったんだろう？と思ったものだけど、観終わって、映画にするのが難しいからなんだな…と思った。
事実は小説より奇なりというけど、あんな話、当事者以外には「なぜ？」としか受け取れないだろう。そのためか？男ぶりや手口を示して「これなら騙されても仕方ない」という共感を引き出すのでなく、「クヒオ大佐」が「クヒオ大佐」でしかいられない様が淡々と描かれている。
皆の演技は上手く、面白い場面がたくさんあり、ロケ地も良かったけど（クヒオの暮らすアパートの外観が最高）、うまく言えないけど、役者やエピソードのレイヤーがバラバラという感じ。堺雅人は何を考えながら演じたことだろう？
満島ひかりは、野性的なヒザの持ち主だなと思った。
松雪泰子の弟を演じた新井浩文に、初めて好感を持った。あんな弟がいたら頼りになっていい。もっとも私なら、似たもの姉弟って所もあって、一緒にいる意味ないか…（笑）
