Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!


スティーヴン・ブリル監督作品。店頭じゃ売り切れで、結局アマゾンで買いました。
いじめれっ子の高校生男子3人組がボディガードを募集したところ、やってきたのは「元陸軍特殊部隊」の現ホームレス、ドリルビット・テイラー(オーウェン・ウィルソン)…という話。


Mr.ボディガード/学園生活は命がけ! [DVD]

Mr.ボディガード/学園生活は命がけ! [DVD]


「あることがキッカケで、人間は(その人から見れば、世界は)変わる」というジャンルの物語。しかし大きく変わるのは、いじめられっ子ではなくドリルビット・テイラーの方だ。
制作陣も被ってなければストーリーも全然違うけど…私がいじめられっ子物があまり好きじゃないせいもあるんだろうけど…いい年したおっさんの成長物という点で、ハッピー・マディソン制作/デヴィッド・スペード主演「ディッキー・ロバーツ 俺は元子役スター」(感想)を思い出してしまった。



冒頭30分ほどは、主に3人組(はじめはデブガリの二人組だが、更に弱いチビを助けたことで懐かれてしまう)の悲惨な学園模様が描かれる。
その後、彼等の前にケチな路上生活をする「元特殊部隊」のオーウェンが登場。しばらくは、3人組とオーウェンの世界とが全く馴染まないように思えて、別の映画を交互に観ているような違和感を覚えた。(リアルじゃない)いじめられっ子物というのは、学校や地域社会が閉鎖的であることが前提となってるけど、オーウェンの生きる世界はそうじゃないから、へんなかんじがしたのかもしれない。
(ちなみに特典映像のセス・ローゲンの言によると、金銭的に許されれば、オープニングにオーウェンが軍から脱走するシーンを入れたかったそうで、なるほどそういう類の映画と思えばいいのか〜と思った・笑)


他のボディガード候補者は「そんな金じゃできないよ」とその場を去るが、オーウェンにとっては子どものお小遣いも大事な生活の糧。でもってすることといえば、怪しげな自衛手段を教えたり、臨時教師として学校に入り込み、無線でいじめっ子の接近を知らせたりと、いつもながら中途半端にしょぼい。しかし、当初は彼等の家で盗みを働く計画だったのが、仲間(「トロピック・サンダー」の爆破スタッフ、ダニー・マクブライド)を前に「いいやつらなんだよな〜」と渋り出す。
クライマックスは、パーティにおけるいじめっ子vs.いじめられっ子の決闘。最後はオーウェンが乗り込んできて決着を付ける。途中(いつも通り、口から出まかせなんだけど)「相手を愛するんだ!」なんて言ってたから、ケンカじゃない何かを期待してたんだけど。まあオーウェンのファンにとっては、珍しいタイプの見せ場ではある(笑)


冒頭、オーウェンが渋滞中の海岸道路で運転手にお金をせびるシーンを見て、いつもながら、「自分の車」(それに準ずるもの)を持つことの大切さを思った。いいな、と思う人にお金あげられるから。
オーウェンと惹かれあう、レスリー・マン演じる学校の先生もナチュラルでいい感じだった。二人の「アウトドア」なデートも良い。
いじめっ子役の少年には、顔は似てないけど、ふと「マイ・ボディガード」('80)の同じくいじめっ子役だったマット・ディロンを思い出してしまった。


特典のアウトテイク・削除シーン集を観てみると、オーウェンは(自殺未遂直後?の作品だからかもしれないけど)結構沈んで見える。終盤宝くじを当てるくだりのNGシーンでは、男の子に「ヴィンス・「フォーン」のほうが面白いね…」と言われてるし(笑)
とりあえず今は、4月日本公開の「マーリー」と、「ナイト ミュージアム」(一昨年?観た映画の中では一番ってくらいのお気に入り)の続編が楽しみ。