シアターNにて公開初日に観賞。2008年の作品だそうだけど、なぜ今頃公開されたのかな?
7月4日、ブルックリン橋に立つ一組のカップル(ジョセフ・ゴードン=レヴィットとリン・コリンズ)。ジョセフは、橋に上る階段をゆっくり歩く。中ほどまで来ると、二人をぐるぐるめぐる思わせぶりなカメラ。コインが投げられ、彼らはそれぞれ反対方向に走る。このくだり、最後まで意味がよく分からなかった。
そこから「犯罪に巻き込まれる一日」と「彼女の実家で過ごす一日」とが交互に描かれる。時に覗き見するようなカメラが印象的。特に前半は、場面が替わる際、車や電車の走る音を映像より先にかぶせることで緊張感を高めている。「殺されるかもよ?」のセリフの後にもう一方のパートになると、ジョセフがあることをしている(音がする)のは面白かった。
リン・コリンズの年の離れた妹役のオリヴィア・サールビーが、アルトマン顔というか、インディペンデント顔に見えて、そっちのパートはそんな感じもした。とはいえああいう、映画の魔法は無いけど。
恋人同士の二通りの一日を描くといっても、どちらも「二人」によって紡がれる話に変わりはないわけだから、私には「対照的」に感じられなかったし、どちらか一方を引き伸ばしてももっと面白く出来そうだから、なぜこんなことをするのか分からず、中途半端で勿体無く思ってしまう。
つまらなかったわけではない。ジョセフとリンがいつも手を繋いでる様子から、いい年して(悪い意味じゃなく)「未熟」な二人が寄り添って世界を生きている感じが伝わってきて胸打たれた。彼らが「未熟」な理由は「セリフ」に散りばめられている…これがまた、わざとらしいんだけど(笑)
リンが母親に根掘り葉堀り聞かれてうんざりしてたのが、年の離れた妹について「困ってるの」と打ち明けられると急に「母は人生に満足してない、心配だわ」なんて言い出すのは、うざい視線が自分からそれたことにより急に相手が愛おしく感じられるという、メリダ(とおそろしの森)効果だなと思った(笑)