最近観たもの


今月はソフトスルーものを幾つか観たので、twitterから、その記録。



オリジナルのテレビシリーズを知らず、チャニング・テイタムジョナ・ヒルの写真に「アザー・ガイズ」みたいな話かなと思ってたら、どちらかというと懐かしい「25年目のキス」を思い出す内容だった(デヴィッド・アークエット、今どうしてるのかな?私にとってはある何かを象徴する特別な人)
そもそもチャニングとジョナのキャラもあってか?クライマックス直前にあんな「誘いの言葉」があっても、バディものとしてはそう濃厚じゃない。それが「今」っぽい。笑いのセンスも、作中のセリフじゃないけど「バカさの加減がいい」。
私はチャニング大好きだから、彼を見てるだけで楽しいんだけども。表情、アクション、なかなか稀有な役者さんだと思う。「ブチキレ」時、周りの高校生役の子たちがほんとに笑ってるように見えるのがいい(笑)
警官仲間としてヴァレリー・ティアン(「ジュノ」で中絶反対のプラカード持ってた子)が出演。彼女を見るとなんだか面白そうな予感がするので楽しみにしてたんだけど、ほんとにちょい役で残念だった。



ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の自転車もの。「スーツ」を嫌い、「スリル」を愛し、ニューヨークを暴走するメッセンジャーの彼が事件に巻き込まれる。話がどうっていうより、カンフー映画じゃないけど、観終わって外に出たら自分だってすいすい車をよけられそうな楽しさや、ジェットコースターに乗ってるようなスリルが味わえる体感映画。
観ながら思い出してたのはシャーロック・ホームズ。「頭のいい人」(JGL)が最適ルートを瞬時に判断する映像で今の映画版を(これが一度だけ無駄になるというかダメだった、というのは笑える)、「自分の町」を熟知して仕事に活かすって点で原作やBBCのドラマ版を。ニューヨークの人が観たらさぞかし面白いんだろうなあ。
「悪役」にマイケル・シャノン、「スーツ」を着て「自動車」に乗る警察官という、主人公の間逆の人間。確かに悪者なんだけど、少々可哀相になってしまった。こんなに警察を馬鹿にしてる(馬鹿に描いてる)映画って久々だから(笑)


オンディーヌ 海辺の恋人 [DVD]

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ニール・ジョーダン監督、コリン・ファレル主演の2009年作が公開されず今頃ソフト化なんてびっくりだけど、観てみたら地味にも程がある映画だから、仕方ないかな。
オンディーヌとは水の精霊のこと、私は山岸凉子の短編を思い出す。勿論おとぎ話じゃなく、おとぎ話と、それから音楽を持つ人間たちの物語。主人公の「おとぎ話」との距離のゆらぎが面白い。撮影はクリストファー・ドイル、正直この名前にはもう飽き飽きって感もあるけど(笑)彼お得意の海、たそがれをすべるような映像は美しく、10分くらい経ったかなと思って見たら36分過ぎてた。
コリン演じる猟師の網にかかった女が歌をくちずさむと大漁になる。「あんたは幸運の女神だ」と言った後「でも歌のせいじゃない、引き上げる前からカゴの中味は決まってるからな」。このセリフが私なら嬉しい、だって歌のせいなんて言われたら重荷だもの。二人の「ラブシーン」もあるけど、作中一番「官能的」なのが、彼女がコリンからもらった衣服を身につける場面、というのもいい。
しかしこうした「本筋」より面白いのは、コリンと彼の「カウンセラー」の神父役、スティーヴン・レイとの告解室でのやりとり(あの声がまた!)。教会の中だけの関係かと思いきや、病院のちょっとした場面や、酔っ払って木の上で寝てたコリン「また説教か?」「木は何も教えてくれないだろ」なんて、外のシーンも楽しい。