ザ・ライト エクソシストの真実


公開二日目、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて夕方の回。お客さん少ないだろうと甘く見てたら、前2列残した最後の2席しか空いておらずびっくり。



オカルト・ホラーといった類の映画じゃない。「気乗りのしない仕事だけど、変わり者の師匠に付いて経験重ねるうちに自らの資質が目覚め、成長し、最後には『お前は若い頃の私に似てる』と言われる(←出た!笑)」系の物語。でもってその仕事というのが「バチカン公認のエクソシスト」、師匠がアンソニー・ホプキンスなんだから面白い。
一言にまとめれば、主人公が「変化」する…神を信じるようになる物語でもある。悪魔憑きの描写含め、全篇実直な作りだけど、クライマックスでは感情的な音楽が「その時」を盛り上げる。
もっとも「エクソシスト」('73)の超有名シーン(ポスターのあれ)のパロディや、ホプキンスの「緑のゲロを吐くとでも思ったか?」というセリフなどメタっぽい部分もあり、適度に息が抜ける(笑)


エクソシスト」では、エクソシストと「悪魔」は互いの言葉を耳に入れないようにしてたけど、本作においては、悪魔祓いの儀式の要所は「対話」である。
悪魔の「名前」を知ることができれば「命令」によって消滅させることができる、というのが、私にはぴんと来ないけど、面白いなと思った。ホプキンス演じるルーカス神父が、家に居つく猫について「名前をつけても認識しない」と言うのは何か関係あるんだろうか(一方、「悪魔憑き」の少女は猫の名前にこだわる)


まずは心惹かれる「エクソシスト」の「養成学校」!の描写も、地味ながら楽しめる。
現代っ子」の主人公マイケルは、神学校のルームメイトがテレビゲームに興じる間(詳しくないからどんなゲームだか分からず)、メールで「神父にはならない」旨を学校側に通知する。ローマでの「エクソシスト養成講座」は現代的な教室で行われ、電源が落ちると「悪魔のしわざだ」と冗談が飛ぶのが面白い。神父たちが携帯電話を持ってるのが、すっとぼけたギャグになっている。
マイケルが行く先々でいちいち「アメリカ人」と言われるのも印象的だった。ローマでもマックの看板にひと安心する彼の姿に、「旅先でもマクドナルド」だった「偶然の旅行者」('88)を思い出す。


主人公の青年マイケルを演じるのはコリン・オドナヒューという新人さん、役には合ってたけど、私は次に見ても覚えてないだろう(笑)父親役がやたらイイ顔の男だな〜と思ってたら、ルドガー・ハウアーだった!久々で誰だか分からず。