ラストミッション



予告編に遭遇した際、スーツ姿で銃を構えるケビン・コスナーの様子がいいなと思ったので見に行った。実際、彼が銃を構えたり撃ったりする姿はかっこよく満足できた。
制作はリュック・ベッソンのヨーロッパ・コープ、監督はマックG。癌で余命わずかとの宣告を受けたCIAエージェントが、別れた妻と娘を取り戻すために奮闘する。


オープニング、全編に渡って異常なほど化粧の濃い女エージェント(アンバー・ハード)が仕事を命じられている。上司が接触相手について「ベテランだ」と語ると、ケビン・コスナー演じるイーサンの顔が大写しになる。皺の目立つしょぼくれた表情で鼻をすすっているが、カットが替わると床には死体がごろごろ。こういうノリの映画。予告編にも入ってる、ケビン・コスナーが「Happy birthday to you」を歌うシーンはあまりにわざとらしい「面白さ」が恥ずかしく、テレビなら消してた(笑)
話の内容は乱雑だけど、私は娘より両親の方に年齢が近いはずだし、ケビン・コスナーのファンというわけでもないのに、見ながらずっと、ああこんなパパとデートしたいなと思ってた。だからまあ、悪くない!大体一番かっこいいのが、「仕事」じゃなくトイレで娘を助けるシーンだからね(ただし、彼のアクションはかっこよく撮れてるけど、やられる方の描写は最悪・笑)娘の自転車の練習をする場面には涙ぐんじゃったし、妻とのベッドイン直前の戸口に立ってるカットにも「往年のスター」の説得力がありよかった。


アヴァンタイトルの一幕、ケビン・コスナーがずっとコートの襟を立てているのを見て、うちの両親が冬に外出する時、父親がコート着てると、母親がこの方がかっこいいからと手出しして襟を立てるのを思い出した。うちの場合はタモリみたいな容姿だけど(いやタモリだって素敵だけど…)
ケビン・コスナーはその後は長らくジーンズに革ジャン、終盤ようやくスーツを纏う。どれもお似合い。私はデートするなら中盤の「カウボーイ」スタイルがいいなと思うけど(だって彼はジーンズが最も似合うスターの一人でしょ)、作中の皆には評判悪かった(笑)
「パリのアメリカ人」のケビン・コスナーが行く先々で「カウボーイ」呼ばわりされるのは当て書きなんだろうか、まさに適役。単に「ダサいやつ」という意味じゃなく、彼の監督作は自身が「カウボーイ」を演じるものばかり、ということに対する敬意もあるのかな?ともあれ観客の多くは、アメリカ映画における彼の歴史を知っている。私だって、彼が活躍し始めた頃に映画好きになったから、劇場で主演作を幾つも見ており愛着がある。「ボディガード」のくだらないパロディだって、本人なんだからそりゃあ嬉しい(笑)



ケビン・コスナーが娘と踊る時に掛けるのがBreadの「Make it with you」というのがよかった。ブレッドの曲っていいよね、好き。