ラブ・アゲイン



最高に面白かった!とても幸せ。


40代の「安定したサラリーマン」キャル(スティーヴ・カレル)は、ある日突然、妻のエミリー(ジュリアン・ムーア)から離婚を切り出される。「浮気」を告白された彼は耳をふさいで助手席から飛び降りた。その後バーで一人過ごすようになったキャルは、年下のジェイコブ(ライアン・ゴズリング)に声を掛けられ、「女を振り向かせる男」へと変身を遂げる。


予告編から想像されるような、夫と妻のラブストーリーというだけじゃない。たくさんの登場人物がびしっと決まっている。皆が愛おしい。
中盤ふと、そういや最初に出てきたきりのハンナ(エマ・ストーン)は何だったのかな〜と思ってるところに彼女が登場、二場面ほどで心に深く入ってくる。そして彼女のキスの後、部屋の隅から留守番電話の声が流れてきてキャルの方にすっと心が移る、そうした切り替えの見事なこと。
終盤には満を持しての勢揃い。「デイヴィッド・リンダーゲン」ことケヴィン・ベーコンが庭に姿を現す場面、私にとって「サモハンのテーブル乗り」「デュリスのスウェイジ」に次ぐ今年の体温上昇シーンだ。アクションでも何でもなく「男が一人現れる」だけでこの興奮、ここまで紡がれてきたお話のおかげだ。


それにしても、白ケビンよかった!勝手に「スーパー!」的キャラだと思い込み、終盤ライアンと同じ画面に出てきたら色男対決が見ものだな〜と期待してのたで拍子抜けしたけど、こっちの方が全然素敵。(妄想シーンにおける・笑)庭仕事の白シャツ姿もまぶしい。
物語の後「デイヴィッド・リンダーゲン」はどうしたんだろうと思うけど、彼だけ役名もフルネームだし、そういう存在なのかなと。変な言い方だけど、実体のあるマクガフィンというか…って思い切り話に参加してるけど。
登場人物のほとんどが「恋を実らせる」中、「むくわれなかった」他の一人は「ああいうキャラ」だから、また他は「年が離れすぎてるから」「子どもだから」、構わないってことなのかなと思った。


以下色々。


・今年観た映画では「ハートブレイカー」に続いて「ダーティ・ダンシング」ネタあり。意外にも力技でくる。
・音楽もとても気持ちよかった。冒頭のショッピングセンターの場面でかすかに「コンドルは飛んでゆく」が流れてるのに、「お家をさがそう」の「Nightbirds」を思い出してしまった(笑)
・嬉しかったのが、エマの友人の「あんたがコレなら私はどうなるのよ!」ってセリフ。これは「ジョージアの日記」のジョージアが父親に言う言葉を思い出した。あまり聞かないけど、そうなんだよ!と言いたい、つながり。
・ほとんど出番のない(前半など、わざとじゃないかと思うくらい「顔」を見せない)末っ子は先日観た「ラモーナのおきて」にも出てたジョーイ・キング。テレビの前で力いっぱい踊る姿がいい。あれはああいう風じゃないとダメなんだろう。