ラブ&ドラッグ



医学部を中退しファイザー製薬のセールスマンとなったジェイミー(ジェイク・ギレンホール)は、売り込み先の病院で、パーキンソン病患者のマギー(アン・ハサウェイ)と出会う。早速セックスする仲になり惹かれていくが、「おつきあい」はしないと釘をさされる。


つまらなかったわけじゃないけど、ぴんとこず。「クライマックス」でジェイミーがマギーに「君が必要だ」と告げる場面、私には彼の言ってることが何ひとつ分からなかった。「僕は今までチャラ男(この字幕もいまいち、この場面では違ってたっけ)だった、周りの皆もそれが僕だと受け入れてたから、でも君は違う、自分に初めて自信が持てた」…えっそんなこと思ってたの?と。


ジェイミーの仕事に付き合ってシカゴを訪れたマギーは、「怒れる患者の集い」を知り「病気なのは私だけじゃなかった!」と舞い上がる。ジェイミーの上司役オリヴァー・プラットが口にする「シカゴは文明と文化の町だ」というセリフを思い出した。都会のよさ。しかし体がままならないとはいえ、彼女がそうしたアプローチをしたことがなかったとは意外だ。「奔放な」「芸術家肌」でも、そういうタイプなんだろう。
一方、同じ「集い」で妻を20数年看ている男性から「意見」を聞いたジェイミーはいつになく深刻な気分になり、二人は初めて大きくすれ違う。
その後、病気を「治す」決意を固めたジェイミーはほうぼうの病院へとマギーをひっぱり回す。仕事ではどんな窮地もチャーミングに乗り切ってた彼が、予約を伸ばされた受付で怒鳴ることしか出来ないのがせつない。自分を病気ごとは受け入れられないのだと察したマギーは離れていく。これからどうなるんだろう…と興味を持って見ていると、なんだか大したこともなく上段の場面に着地したので拍子抜けしてしまった。


映画において、カップルが何らかのトラブルによって一旦離れた後、片方(大抵男)がよそでセックスして、しばらく後に会うと、もう片方には別の恋人が…という展開ってよくあるけど、片方だけセックスしたんじゃずるいと観客に思われるからそうしてるように感じてしまう。本作もそうだった。同様のストーリーでも気にならない場合もあるんだけど。