新宿亭砥寄席



柳家おじさん「狸の札」
三遊亭白鳥「ピンピンマン」
柳家権太楼「くしゃみ講釈」
 (中入)
昔昔亭桃太郎「唖の釣り」


地震後初の落語会。この日の木戸銭は5%が義援金として寄付されるとのこと。
会場の新宿文化センターは節電のため外観真っ暗、当日券無し(売り切れ)の場内の半分ほどが空席。開口一番の後、白鳥さんが「少数精鋭の皆さんこんにちは」と挨拶(笑)
中入込で二時間半、心が晴れ晴れした。来られなかった人には申し訳ないけど、本当に行ってよかった。映画や本では決して味わえない、ナマの芸の力を初めて知った。


池袋から自転車で来たという白鳥さんは、調子もよくマクラに爆笑させられた。「ピンピンマン」を掛けたのは「避難」が出てくる噺だからかな?
権太楼は、交通事情で出演できなかった歌之介の代演。「こういう時は一人じゃ心細いから、肩寄せ合っていきましょう」。彼の「くしゃみ講釈」実は初めて聴いたんだけど、(元弟子の)遊雀さんのとあまりに同じなのでびっくりした。年季の入った権太楼の方が起伏や顔芸は少ないけど、キャラクターの醸し出す空気まで全く同じ。でも、「同じ」なのに全然「違う」。遊雀さんが「作家じゃなく(素晴らしい)演者」であること、やっぱり師匠のこと、好きで入門したんだなあ!なんてことを思った。ちなみに「講釈師ってのは何言ってるか分からないのがいいそうだ」→「(講釈)」→「て〜て〜しか聞こえないぞ」というくだり初めて聞いた、面白い。
桃ちゃんは「裕次郎メガネ」で登場。先月階段から落ち数針縫うほどの怪我をしたため目を保護してるんだそうで、地震のことには一切触れずその話をする。これが笑える。


中入時、ロビーで権太楼の「くしゃみ講釈」収録音源を買ったところ、先着10名とかで出演者勢揃いの色紙をもらった。終演後、CDにも本人のサインをもらう。「これ、CDになってるんだ!」と言っていた(笑)