盛夏吉例 圓朝祭 二日日


古今亭朝太「夏どろ」
柳家三三宮戸川
桂南光「夏の医者」
三遊亭小遊三「蒟蒻問答」
 (中入)
三遊亭白鳥「長吉とメルヘンの森」(双蝶々・上)
柳家喬太郎「蝶の子別れ」(双蝶々・下)
 (7/15・豊島公会堂


昨年は帰省と重なったため、二年ぶりの圓朝祭。ものすごい日差しの中、会場に着いたら、涼しいのとお腹が満ちてたのとで眠たくなってしまった。
三三は例の足取りで上るなり手拭いで周りを拭く仕草をして「(朝太さんと同じく汗かきの)白酒の後に上がったみたい」(笑)枕で中二の時に一人で、当時はイイノホールで行われていたこの会に出掛けたら長引いて帰りが午前様になったという話。キリンジ中野サンプラザ公演で、会場の思い出としてお兄ちゃんが高校生の時に一人でマイケル・マクドナルドを観に来たと話してたのを思い出した(笑)「宮戸川」は気弱な半ちゃんがキュート。
南光を観るのは初めて、とても楽しかった。見台は無し。「べかこから南光になって18年」と言いながら、自己紹介がてら、名前にまつわる大師匠・米朝とのエピソードなど。「夏の医者」は師匠の枝雀のを音源で聴いたことがあるのみ、当たり前だけど言い回しなどが似ている。お天道様が照るところでは「師匠からの伝承芸」を見せてくれた(笑)
小遊三は枕で「この会場に居る皆さんが今日は『笑点』を見られないのが残念です」と笑いを取るも、それはこの会向きのネタじゃないだろうと思う(笑)手慣れた感じの一席。


後半は「双蝶々」上下を白鳥・喬太郎のリレーで。白鳥版の方のタイトルは知ってるけど聴くのは初めて、いつ作ったものだろう?
中入後に登場した白鳥さんは目が休まらない着物、「エスニック着物です」「皆はカーテンと言うけど…笑」。まず「(双蝶々について)『悪人』の出てくる噺です」「でもどんな悪人にも、そうなった理由がある」と、いつものように説明。以降は原作?とは全く関係ない、タイトルそのままの内容。私は悪とは単にそういうもの、という方が好きだけど、「理由」を物語にしてしまうのは白鳥さんの得意技だからなあ。「双蝶々」なのに蝶が出てこないから、というんで蝶を登場させちゃうし。
喬太郎は上って枕を少し振ると「長吉も十八の若い衆ざかり…」という程度の一言で空気をがらっと変える。白鳥いじりというか、前の演者のネタを絡める技の上手いこと!
ちなみに私が「双蝶々」をナマで聴くのは二度目、以前も喬太郎の、タワーレコードでのイベントだった。見世物めいた内容だから、その時のようにクローズドというか、狭い空間の方が合ってるように思う。前回聴いたのでは、長吉が奉公先で盗みを働く際、女の着物をまくってその隙にかんざしを盗るというのが、今日は単に走りぬけながら奪う、というふうになっていた。そのくせ?長吉の母親が袖乞いをしている時に男に投げ付けられる言葉は生々しい。ラストは始め意味が分からなかった、世代かな(笑)