湯島はなし亭



古今亭文菊「強情灸」
古今亭菊之丞「死神」
 (中入)
柳亭こみち「寝床」
 (1/30・湯島天神参集殿)


写真は湯島天神の咲きはじめの梅。下にこんもり見えるのは絵馬の山。


文菊は声もいいし上手いけど、私としては、当時の風習を説明しておくお決まりの、「強情灸」なら「銭湯にいる強情な江戸っ子」、の枕が浮いて感じられてしまう。どんな世代の噺家さんでも、「知識」を伝える語り部でもあるのが当たり前だけど、私は自身の体験を元に噺を作ってる人達に慣れてるからか、ちょっとでも隙があると、銭湯入ったことあるのかな?なんて本来は無意味なことを考えてしまう。そもそも「強情灸」といえば円丈のが染み付いてるから、火を点けるところでチャッカマン!チャッカマン!と心の中で叫んじゃうんだよね(笑)
菊之丞の「死神」の呪文は(この日のところは・笑)「マルハニチロ」。でも呪文を唱えるのは二度のみ、「仕事」の場面はあくまでさらりと、全体をすーっと流していく感じ。サゲは…ネタ下ろしだから(これから聞く人の方が多いから)書かずにおこう。後で話していたら、同居人は、この噺のお妾さんのくだりにいつも嫌な気分になるんだそう。私の思い付く中では唯一、白鳥さんの「死神」にはお妾さんが出てこない(奥さんにそそのかされて夫婦でろうそくが短くなってしまう)。まあ白鳥さんの場合、夫婦ものなら奥さんのキャラが立ってるから、他の人が出てくるヒマないよね(笑)
こみちさんには「師匠達とのカラオケ」ネタがあるから、「寝床」の枕は強い!いつもより「改作」っぽいなと思っていたら、義太夫コールのある喬太郎流。義太夫に当たってしびれて飛び上がる仕草が、身が軽いから見ていて安心(笑)