ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1



公開2日目、新宿ピカデリーにて観賞。満席だった。


いわゆる「ファンタジー」魂が無いためか、私はこのシリーズの楽しさを主に「学校もの」「おっさん天国」に置いてるから、ストーリーの柱に関するエピソードのみをみっちり描いた、若者3人のロードムービーである今作は観ていて少々飽きてしまった。


オープニング、「くそ」(うちでの彼のあだ名)の声と目のどアップにわくわくさせられる。
冒頭、ハリーと仲間たちがロンの家に集合するまでが最高に面白い。とくに子どもが主人公の「ファンタジー」ものは、「ホーム」(「現実」)に始まり「ホーム」に終わるものが好きで(「エクスプロラーズ」のラストなんて大好き…適切な例じゃないか・笑)、このシリーズもダーズリー家から始まってこそだと思ってるので、まずは「ホーム」に別れを告げるハリー(とハーマイオニー)の姿にぐっとくる。戻って来られるか分からないけど、あんな「家族」であっても、最後には何らかのやりとりがあって欲しい。
てきぱきながらもちょっとした笑いを挟んで出発、追手を振り切って逃げるアクションシーンに心が躍る。その後の結婚パーティの描写には、初期の頃には当たり前のようにあった「魔法の楽しさ」の名残が見られ、最後の宴のようで寂しい。杖を使ってテントを設営し、並んだグラスにシャンパンを注ぐ。
その後は延々、ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が「追手から逃亡しながら分霊箱を捜して破壊する」過程が描かれる。テントは張るものの食事シーンなどは一切なし。ただ「分霊箱を身につけると心がネガティブになる」という設定と、その影響もあって色んな距離を取る3人の様子が面白かった。


前半のクライマックス?は、3人が魔法省に分霊箱の一つであるロケットを奪いに行くくだり。職員に化けて忍び込むので、まずはよくある「中に別人が入ってる人」の演技が楽しめる(それほど面白くないけど)。途中で魔法の効果が切れ、何とか逃げ切るんだけど、以前なら大人の中に紛れた子どもが頑張る、という風だったのが、今やとくにロンなんて、ガタイがとんでもなくいいもんだから、デカイもん同士の攻防になっており、なんだか妙な感じを受けた。


今のところ、シリーズ中もっとも「単独で観る」ことを想定されていない内容だといえる。しかしこのような続編映画(しかも7作目!)がこれほど人気だなんて、へんな気がする。満員の場内のどれだけの人が、これまでのストーリーを踏まえて観てただろう?私もおぼろげだったけど、話がつかめなかったらつまらなくないかな?世の人々はどういう動機で「映画」を選んでるんだろう?やっぱり「有名」だから?
それほど複雑じゃない「エクリプス/トワイライト・サーガ」でさえ1・2作目のダイジェスト付きだったんだから、こちらにもあればいいのにと思った。さらに「ミレニアム」のように、登場時に名前と役柄のテロップが付けばもっといい(笑)