市川崑の横溝正史



今年に入ってから、「女王蜂」「悪魔の手毬唄」「獄門島」「犬神家の一族」(オリジナル)と市川崑の横溝ものを続けて観た。私は市川崑って、正直チカチカして苦手なんだけど、犬神家がこんなに面白かったなんて、忘れてた。
大体横溝正史の映画(本も読んでるはずだけど、覚えてない)って、友達になっても話すことがなさそうなヒロインが狙われたりで大変なことになって、それよりずっと格上の大女優が犯人、と思ってたけど、よく考えたらそればっかりでもない。とはいえ冒頭で犯人は皆思い出せるんだけど、それでも面白い。以前も書いたけど、年末年始に放映されるアガサ・クリスティ特集(全作持ってて、犯人知ってるどころじゃない)を嬉々として録画してしまうのに似ている。
「獄門島」特典の「特報」がすごく良くって、「超娯楽大作、撮影快調!」とか言うの、こんなに人死ぬ話なのに娯楽大作というのが、当たり前なんだけど、いいなあと思った。


仁科明子のスタンドカラーのブラウス+カーディガンや、大原麗子の白ブラウス+紺スカートなど、ヒロインの着こなしが可憐で楽しかった。似合うか否かはともかく、ぜひ着てみたい!と思わせられたけど、人生は、色んな格好をするには短すぎる。一年のうちに、四季だって一度しかめぐってこないし。


コチラの「犬神家の一族」配役比較によると、猿三を子供がやってるバージョンがあるというのが意外だった。私にとって、あの役はお色気担当、みたいなカンジなので。とはいえこうしてキャプチャで見ると、全く色気を感じない。まさに役柄の色気というやつだ。