西原理恵子「上京ものがたり」買いました。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 単行本
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なんだかちょっと雰囲気が変わった。表紙絵からも感じたし、自分の表情の描き方とか。
私が西原作品でいちばん印象的だったのは、「サイバラ式(ASIN:4043543018/漫画じゃなくてカット付エッセイ)」に出てきた、小包が来たのでカッター突き刺してビーっと開けたら、中身が枕で、ソバガラ?が散乱してたという話(字面で見ると面白そうじゃないけど、ツボにはまって)。そういう原色ギャグが好き。
ちなみに私も上京して初めてのアルバイトはホステスだったのですが(彼女と同じ歌舞伎町にて・店長は元ボクサーというレトロな店)、学生時代は実家からお金もらってたので、でももうちょっとお金あればいいなあ程度の動機だったので、出勤がめんどくさくて、一ヶ月でやめてしまったし、その後は、アルバイト自体ほとんどしてない。「女」で稼ぐなら、個人営業のほうが断然ラクだ。
あと、私は無職の男性とつきあったことはないのですが(私が長年無職だから)、働かない男性がダメなのって、世の中に「働かない男はダメ」というのがあるからだよね、きっと…
話は変わって、「月刊MOE」は「永遠の少女マンガ特集」(公式サイト内ページ)。岩館サイトで教えていただき、買ってきました。
こういう企画もいいかげん食傷気味なんだけど、きれいにまとめてありました。漫画家44人へのアンケート企画は「初めて読んだ少女マンガ」「自分の作品に最も影響を与えている少女マンガ」「今はまっている少女マンガ」などの簡単なものですが、知りたいとこだし、面白かった。高野文子が「今はまっている…というか、少女マンガのよいところをたくさん取り入れていると思う漫画家」として、ひぐちアサをあげてたのが印象的。何を読んだんだろう?
あと、西村知美も吉村明美、読むのか、とか(当たり前か…)
「少女マンガに出てくるフード」特集もあって、そこは少女漫画らしく、ケーキや何やら、あとハチクロの「かぼミント」も再現されてました。
(私はハチクロの、あの料理に象徴されるような「無茶をする女たち」的感覚にどうしても馴染めないんだけど…)
漫画に出てくる食べ物って、いきなり精緻に(たぶんアシさんの手で)描いてあると、全然美味しそうに感じられない。絵と溶け合ってないと。
「出てくる食べ物が美味しそうな漫画家」といえば、載ってた高野文子もだけど、私はやはり高橋由佳利をあげるかな。名のあるお店のケーキなんか出てこないけど、お弁当とか、うどんとか、何でもいい。
今の「トルコで私も考えた」もまるごと美味しそうだけど、少女漫画時代の作品の中で料理メインのものとしては、少林寺部主将の女の子が、合宿先の山中で、雲隠れ中の有名シェフの男の子と出会う「ためいき森の七つの食卓」('84年作/RMC「王様たちの菜園」収録)というのがあります。古すぎて入手困難だけど…
ついでに、これを読めば当時のりぼんがわかるという三冊を載せておきます。短編好きなんで、短編集で。
TINAMIXの「青少年のための少女マンガ入門」一条ゆかり編に、80年代の「りぼん」で表紙や巻頭をとった漫画家のグラフがあるのですが、この中で「HOT」とされているのが、萩岩睦美、小椋冬美、高橋由佳利(MTTは乙女ちっく三人)なので。80年代前半は(看板連載「ときめきトゥナイト」をのぞけば)この3人が雑誌の顔だったことがわかります。
余談だけど、少女誌でデビューした少女漫画家の多くは、キャリアを重ねるほどアンケートが取れなくなっていきそうだから(その理由は、少女漫画においては少女の感情や風俗の描写が重要だから。こんな服着ないよ、こんな言葉遣わないよ、と読者に思われたら、あるいはあこがれられなくなったら、少なくとも少女誌では終わり。その他、雑誌が対象年齢を下げたために相対的に内容が大人っぽすぎることになってしまい、卒業せざるを得なくなったり)、たいへんだ。私のような読者は、その隠居先、いや引越先を読むことになるわけだけど。勿論、リンク先にもあるように、面白い漫画を描く人は、そういう理由で少女誌を出ても、他の雑誌で活躍するんだけど。
今はもう、(かつては少女誌からの移行先であった)ヤングアダルト誌から新人が出たり(それこそ30過ぎてからデビューする人も)、育てられたりしてるから、面白い。