007/カジノ・ロワイヤル


ダニエル・クレイグの、顔と同じくらいの太さの二の腕がすごかった。頭、もたせかけたいけど、首が痛くて3分が限度だろう。


今日の「観賞後の第一感想」は、女性二人連れの「ダイ・ハードみたいだったね〜」というもの。たしかに泥臭く、不死身で、スーツより普通のシャツが似合うジェームズ・ボンドだった。「初めてのオーダーメイドスーツに鏡の前でカッコつけてみる」の図がやたら長いのが可笑しい。



冒頭のアクションシーンは、トニー・ジャーの映画みたい。爆弾しょって逃げ廻る悪役青年の身体能力ががすごすぎて、何度も笑ってしまった。終盤のヴェネツィアでの一幕は、長すぎて、眠くなっちゃったけど。
しかし、見終わってのともかくの印象は「高校生の恋愛」…素朴で純情なの。ジェームズの顔を挟み込むボンドガール、ヴェスパーの爪は短く切り揃えられており、マニキュアの色味もない。そもそもその手は、すらりとした脚から想像し得ないほど子どもっぽい。療養所のベッドで彼女と絡み合うボンドの、サッカー少年のような太いふくらはぎも印象的だった。


良かった点は、映像も何もかも、とにかく分かりやすかったこと。ゆるいパンツの中でもカタチの分かるボンドの尻に注目していると「あなたのお尻は…」となるし、笑顔の可愛らしさに惹かれていると「あなたの笑顔と小指が…」云々となる。
血の涙を流すマッツ・ミケルセン始め、悪役の顔も皆、味があって良い。MI6側では、やっぱりジュディ・ディンチ。夜中に職場からの電話をとるシーンは「女王陛下の007」(だっけ?電話が鳴って、女の方がとるやつ)のオープニングを思い出した。


2時間超の長さにも関わらず面白く観られたけど、残念だったことも幾つかあって、まず、ボンドガールのファッションが安っぽかったこと。ヴェスパーの衣裳の良さも、あくまでも身近な可愛らしさ。始終離さないペンダント(「昔の恋人からの贈り物」)もごつすぎる。「高校生」だからそれでいいのかな。そうそう、何日間も居座る「カジノ・ロワイヤル」のロゴも、もうちょっとどうにか、と思わされる。円の中にCとRが入ってるだけの、それこそ文化祭みたいなやつなの。
それから、途中何度か、007シリーズではあまり見られない食事のシーンが出てきたのに、実際に「喰らう」場面が一度しか見られなかったこと。その際のキャビアの大盛りぶりはダニエル・クレイグに似合ってたけど。肉か何かにしゃぶりつくところが見たかった…