ファンタスティック・フォー



試写会後にtwitterのTLで酷評ばかり目にしたのでどんな映画だと思いきや、いわゆる「普通に面白かった」。私がアクションにあまり興味が無いせいか、戦闘シーンの量も丁度よかった。尤もその「状況」のわくわく度に比して画はいまいちだった、というか、えっ皆で力を合わせるってこういうこと?確かにアベンジャーズなんかも似たようなことをやってるけど画が全然違う、という感じだったけど(笑)


「セッション」に続いてこれもまた、マイルズ・テラーがむかつく奴(むかつくことをする奴)であることにより成立する話だった(マイルズが演じているからそう見えるのか…?笑)クライマックスの戦闘直前にがんばろう!的なことを言われ「どの口で」と思うも、事前にスーザン(ケイト・マーラ)が「私達は過去に戻れない」と言っているから、そうだよなあと納得せざるを得ない。
それにしてもマイルズが「もうやめろ」だか何だかと口にしながらヴィランの前に立ち塞がる時の姿、決め場なのにクリス・ヘムズワースのようなカリスマ性も(って彼は「神様」だけど・笑)ロバート・ダウニー・Jrのような「大人の男」(と触れ込める雰囲気)性も無い。でも私は嫌いじゃない。上でむかつくと書いたけど、そんなに嫌いじゃない(笑)


よく分からなかったのは、なぜ彼らはあの時にスーザンを誘わなかったのか?ということ。彼女は博士(「大人」)側の人間でもあるから?映画からだけじゃよく分からなかった。尤も「アベンジャーズ」シリーズみたいにまた「紅一点」が癒し役、というか「君の言うことだけは聞く」なんてことになるのかとの危惧は外れたのでよかった。
つまらなかったのは、彼らが「作っているもの」に全くときめけなかったということ。私の興味の問題じゃないと思う。冒頭から「世界で最初に転送される人になりたい」と言うリードにもう着いていけず、彼らが熱中しているのを見て、そうなんだ、よかったねと思うしかない。そもそもジョシュ・トランク監督ってそういうイメージ、何ていうか「客観的」じゃない。そのやり方も嫌いじゃないけど。


面白かったのは、冒頭から「過程」を丁寧に描いていたのに、肝心なところで一年飛ぶの、そこにこそ興味があったので混乱したけど、それ以降は、描かれなかったその空白についての話だった。そういう映画だった。
それから、例えばマイルズ・テラーケイト・マーラの会話の、三拍喋って一拍休んでというような、ぼつぼつしているけど心がこもっていないわけではないリズム、ああいうのがいい。ラストのリードとベンの「車庫から大出世だな」「素晴らしい(fantastic)」というやりとりにもぐっときた。だって始め廃品を「宝の山だな」(家業についてそう言われてベンはどんな気持ちだったか)と言っていたリードが、あそこに到達するんだもの。尤も丁寧に描かれる「男二人」のうち片方がマイルズ・テラーじゃ、先に書いたように全然心躍りはしないんだけども(笑)