春、Wホワイト落語会14



桃月庵白酒「長命」
三遊亭白鳥「鬼ころ沢」
 (中入)
三遊亭白鳥「座席なき戦い」
桃月庵白酒「花見の仇討」
 (3/4・北沢タウンホール


オープニングトークの後に上がった白酒さんはいつもの?「落語会に来る客」ネタ。白鳥兄さんが変わったんじゃない、落語界が変わったんだ…とはなかなかいい所を突いてると思う(笑)枕の時点で「芝居」「脇へ出掛けた」などの言葉遣いがやはり「古典」仕込みで楽しい。本編はお悔みを寿限無で、のくだりが好き。
白鳥さんは「長い噺を」…って何だろうと思ったら、「古典落語の調べに乗せて」と始まったのは、円丈の「遥かなるたぬきうどん」を思わせる冒頭からの「鬼ころ沢」。元の「鰍沢」のお熊が「金を盗むため」に旅人を殺そうとするのに対し、こっちでは「性転換したことをばらされるのを防ぐため」というのは、「現代」じゃギリギリでは?しかし、卵酒ならぬ「うどん」を振る舞われる場面の食べ方を自分で突っ込んでの「持てる中での最高の芸を披露してるんだ」に、「今」の白鳥さんはそうなんだ、と思う。


中入後は「(白酒さんを)お待ちかねでしょうから」と「短い噺を」。鈴本演芸場の帰りにアメ横に寄ると不思議なものが店先にある、「1500円の5番アイアン、一人3本まで」「5000円以上お買い上げの方にまぐろの頭差し上げます」、この二つを盛り込んだ噺です…との説明に続けて本編。白鳥さんのこの手の噺(志の輔ぽい)って珍しい。タイトでとても楽しい。
白酒さんの「花見の仇討」は、仕草によって「本身は重い」「それを振りまわすのは疲れる」というのがしみじみ伝わってくるのが出色(笑)こういうことって案外気付かないから面白い。