落語研究会 昭和の名人 六



木挽町辨松でお弁当を買って、お客の居ない東劇のロビーで遅めのお昼。同居人は二段重ねがいいと白飯二重、私は懐石弁当。普段あまり食べないおかずが楽しい☆
今回のプログラムは桂文楽「馬のす・大仏餅」/古今亭志ん朝三枚起請」/三遊亭円生鰍沢」/柳家小さん時そば」。


文楽の「馬のす」と「大仏餅」のセットは、「そういうものがあると聞いてはいたけど」(笑)見るのは初めて。以前の回の「明烏」の甘納豆に続いて「馬のす」の枝豆を食べる、というよりすする、というより名古屋弁で言うならせせる!仕草が見もの。
志ん朝はいつもに増して汗をかきかき「三枚起請」。「三千世界の烏を殺し〜」についての(よく聴くものより)丹念な枕が楽しい。ナマの高座だと気にとめないけど、アップの映像だと、一枚の手拭を三枚の起請として使いまわす器用さにどきどきする。
鰍沢」は以前の回で観た馬生の方が好みかな?円生のは満遍なく語る、演劇っぽい感じ。下戸と上戸双方のお酒を飲む仕草もいいけど(最後に茶碗をぬぐうのが可笑しい)、体温が低くて肌が感想していそうだから、かじかんだ手をこすり合わせる仕草が似合う。
小さんはもともと得意じゃないのに加え、「名物」のそばを食べる仕草がどうにも汚らしく感じてしまう。円丈の著書「落語家の通信簿」の「柳家の芸が『わからない』」というくだりで、志ん朝が「『時そば』はお金をごまかす噺なんだから、そばを食べる仕草にこだわる必要はない」とか何とか言っていたと読んだばかりだから、なるほどと面白く見た。