なかの坐 こみち堂



開口一番(柳家小多け「黄金の大黒」)
柳亭こみち「披露目四方山話〜三枚起請
 (中入)
三増紋之助(曲独楽)
柳亭こみち「火事息子」
 (11/15・なかの芸術小劇場)


紋付で高座に上って、枕に30分。こんなの初めてと思っていたら、後でいわく「小三治で」(笑)披露興行中の各寄席での裏話ということで、どこへも行ったもんだから、そうだったのか〜と楽しく聞いた。本編はトリネタとして準備してあったけれども機会のなかった噺だそう。燕路は「披露目中のトリネタを全部変えようだなんて、ここ(各寄席)へ行ったらこれ、ここへ行ったらこれ、でどこが悪いんだ…とはもう真打ちだから言わねえけどな」、そんな形の「粋」があるとは知らなかった(笑)何度も聴いてる「三枚起請」だけど、歌で始まるのはこれまた初めて。


こみちさんいわく「見れば誰もが好きになってしまう」紋之助は、汗かきなところがまず親近感が湧く(笑)おめでたい席だからと客席一周のコマ回しの際、同居人が棒を持つのを手伝ったので、回るコマを真下から初めて見られた。「紋之助師匠の後に初めて上るにつき、何を演ればいいか仲間の意見も聴いて決めた」と始まったのが「火事息子」。おかみさんの「ここは言わせてもらいます、あたしが産んだんだからね!」に、真打でも数少ない出産経験者ゆえの説得力があるかというとそうでもなく、というのは悪い意味で言ってるんじゃなく、うまくなってくると、別にどんな役だってそれなりに聞こえるものだと思った。