ペントハウス



公開二日目、池袋HUMAXシネマズにて観賞(バルト9が連日満席のため。こちらも混んでいた)。楽しく観たけど、少々物足りず。


北米一の高級マンション「ザ・タワー」の管理マネージャー、ジョシュ(ベン・スティラー)は住人のアーサー(アラン・アルダ)にスタッフの年金の運用を任せている。しかし彼は証券詐欺容疑で逮捕され、預けた金も消えた。ジョシュは仲間を集め、アーサーがビル最上階の自室に隠している2000万ドルを盗むことに。


ベン・スティラーエディ・マーフィーが仲間でビル最上階に忍び込む」ということしか知らずに観たら、意外にもお固い内容。まずは、労働者だって人間だ!泥棒するぞ!と決意するまでの経緯がしっかり描かれる。「熱い血潮を理性で抑えている」ベンが、ゴルフクラブを手にする(キレる)まで30分。
ベンの役柄は「タワーの価値の真髄」とされる管理面のマネージャー。朝は4時半に起床、帰りは「9時間後には仕事」という激務。彼が相当「役に立つ」ことを表す、冒頭の仕事の描写が面白い。もっとも私は、困らされるより困らせるベンの方が好きだけど(笑)「コード・ブラック」がめぐりめぐって「ブルー・ブラック」になるあたりはいかにもベンの味。


エディは「ベンのご近所さん」として冒頭からちょこちょこ登場するも印象は薄く、本格的に出てくる頃には忘れてたほど。二人の「初顔合わせ」が本作の話題の一つだけど、作中でも元々知り合いではなく「今から知り合う」(事情アリだけど)というのがいい。とはいえ、二人が初めてまともに会話を交わす場面はもっと爆発するかと思ったのに今いちで残念。「オレの方が面白い!(お笑い的な意味じゃなくても)」というびんびんの空気を期待してたのに。物語の終わりに大して親しくなってないのにもがっかりさせられた(笑)
全体的に、今時珍しいほど男同士のいちゃいちゃ感が無い。まあベンの場合、そんなものはオーウェンとの次作(ズーランダー?)に取っといてくれればいいけど。


「男」全員が初めて顔を合わせるのはフードコート。フードコートが出てくる犯罪ものにはつい甘くなってしまう(勿論一番は「ジャッキー・ブラウン」)。エディの目線で見下ろしたベン以外の三人(ケイシー・アフレックマイケル・ペーニャマシュー・ブロデリック)は、確かに「こいつらは無理だ、うんこちびるぜ」って感じ。
マシューは顔が出るたび「マシューだ」と思ってしまう(笑)エディの銃にびびってソファに上る様子、壁の中のアレを見た時の笑顔が印象的。犬を預けるなら確かに彼だろう。実際ニューヨークっ子だから、紐持っての散歩の場面なんてリアルな感じがした。
加えてアーサーを捕らえるFBI捜査官に、私の好きなティア・レオーニ。本作でのファッションもとても素敵だった。タイトスカートにロングブーツ合わせてるのがいい。