遊雀玉手箱


三遊亭遊雀「風呂敷」
三遊亭遊雀「小言幸兵衛」
立川談春「二人旅」
 (中入)
三遊亭遊雀五貫裁き
 (9/21・内幸町ホール)


ちょうど開演時頃、台風が東京を通過。交通機関の麻痺のためか、場内の半分ほどが空席。


シークレットゲストは談春遊雀さんいわく「これだけの人数で兄さんを独占できるとは!」。
オープニングトークに20分はこの会でも最長かな?談春の「台風っていいよね」に始まり、話は段々広がって、後で遊雀さんが「こんなに芸談が聞けるなんて」と言ってた通り、ざっくばらんかつこなれた喋りが楽しめた。談春って苦手だったけど、この日のトークと高座でちょこっと好きになった。いわゆる「素」に好感抱くって、当人にとってはどうだか分かんないし、粋じゃないかもしれないけど、私にとっては落語会って、友達に会いに行くような感覚もあるから。
そもそも苦手だった訳は、数年前の独演会で、枕も大して無く真っ暗な中で文七をみっちり聴かされ窮屈だったから(私は明るい会場で軽い噺を聴くのが好き)。それが今回、遊雀さんが話を振ってくれたおかげで、まずホールの照明を落とす理由が聞けた。明るいと、つまらなさそうにしてる客の表情に敏感なためそっちばかり見てしまうから。また二階・三階まであるホールの場合、一階が明るいと、自分と一階客とで落語やってるのを上階の客が傍観者のように眺める形になっちゃうから。自身は、何らかの公演を上階で見てると、たまに意識が飛んでしまうんだそう。なるほどと思った。
ゲストとしての演目が「二人旅」というのもよかった。この噺って「煮売屋」が元だそうだけど(私は枝雀のだけ知ってる)、「雑俳」+「居酒屋、というかイラサリマケー(笑)」+「春雨宿」って感じでお得。軽い狂気のようなものも感じた。


遊雀さんは「風呂敷」が一番面白かった。こういうのっていかにも落語だよなあ。一応「艶噺」だけど、かなり乾いた雰囲気。
「小言幸兵衛」は昨年の日本橋亭での独演会で聴いたものとほぼ同じ。遊雀さんの幸兵衛はかなり若い感じ、無理がない。
中入後の枕に、恒例の「芸協まつり前の消防署員とのやりとり」の話。「五貫裁き」を聴いたのは初めて。今日は金坊出てこないと思ってたら、不意打ちで番頭さんが変身した(笑)