新作DVD2本


導火線 FLASH POINT [DVD]

導火線 FLASH POINT [DVD]


ウィルソン・イップ監督、ドニー・イェン主演の2007年作。
特典映像にてドニーいわく「ぼくたちは『映画の好きな格闘家』じゃなく『武術の得意な映画制作者』」。この映画では、「すごい技」を「観客に」「自然に」見せることに全精力が傾けられている。確かに、ラストの対コリン・チョウ戦はじめ見たことのないようなアクションが楽しめたけど、格闘技の知識がない私としては、「スポーツ」として規制のあった(加えてコスプレものだった)「イップ・マン」のほうが好みかも。
ドニーの役柄は、容疑者逮捕のために(超!)暴力を駆使する刑事。一応ルイス・クーとの相棒ものなんだけど、それほどバディバディしてないし、大暴れするのはドニーだけ。ストーリーはシンプルすぎるほどだけど、90分弱の短さだし、アクションが少ない前半には、二人が上半身裸&サングラス姿で海辺で体を休めたり、ドニーさんが音楽隊に左遷されたりと、本筋とは関係ない面白場面があるので飽きない。



ジョン・C・ライリー演じる人生ドン詰まりの男がマリサ・トメイに出会って意気投合&舞い上がるも、ジョナ・ヒルというクソガキがくっついてたという話。よくあるドタバタコメディかと思いきや、ドキュメンタリー調の映像でしっとり話が進む。皆の演技もよく面白かった。原題は息子の名である「サイラス」、観終わってみると、馬鹿みたいな邦題も悪くない。
最後にママが息子に言う「他の誰かが居る時に違和感を覚えるのは、不健全だと思うの」とのセリフが印象的。またジョンが元妻に「3人できちんと話し合うべきよ」とアドバイスされ「そんなことしたら、彼女がどちらかを選ぶはめになって、おれが負けるだろ!」と返すのには、いいとこ突いてるなと笑ってしまった。
「nice penis!」のセリフで登場するマリサ・トメイは「天使」役を好演。パーティでヒューマンリーグの「Don't You Want Me 」が流れ、泥酔中のジョン・C・ライリーが好きな曲だとあたり構わず盛り上がってると、それに付き合ってくれる。白けてた周囲も踊り出す。「レスラー」でミッキー・ロークの音楽の趣味に同調してた場面を思い出した。