エージェント・マロリー



公開二日目、ヒューマントラストシネマ有楽町にて観賞。面白かった。


冒頭、ジーナ・カラーノによるマロリーの顔にまず惹き付けられる。どこか浮付いたような、色んなことが可笑しくてしょうがないような顔。この映画自体がそんな雰囲気で、よく合ってた。
お召し替えが多いのも楽しい。キャスケットの斜め加減、顔の黒塗り加減なども絶妙。今年の「目尻のしわがつけ睫毛みたいでキュートだった女優」一位はぶっちぎりで「リンカーン弁護士」のマリサ・トメイだけど、二位は本作のジーナだなと思った。といっても彼女が笑顔を見せるのは、ファスベンダーとパーティに潜り込む場面くらいだけど。


全体的に、懐かしい感じ(例えばケイン様のスパイものみたいな感じ)がするも古くはなく、新しい。話寄りの映画と映像寄りの映画なんて分けられない、ナンセンスだけど、やっぱりこれは後者だなと思う。そもそも前半は「マロリーが語る過去」なんだから(彼女が「無事」なことは分かってるんから)どきどきしない。その上での面白さ、それがいい。
格闘家であるジーナを使ったどすどすしたアクションシーンに、ああこういうのが見たかったんだ、と思う。雪道での、前!後ろ!オチ!というカーアクションも新鮮だった。加えて、例えばこまかなことだけど、特殊部隊の面々が、少々のセリフ(=「個」)はあるものの概ね十把ひとからげに描かれてるのも、いかにもぴったり効いている。


話題の「豪華男優陣」も勿論見もの。まず登場するのはチャニング・テイタム、彼が最初にマロリーの名を口にする。ちなみにその後、マロリーはその場に居たスコットの名を呼ぶ、終盤パパは娘を「マル」と呼ぶ、なぜか「名前を呼ぶ」場面がいつも印象的だった。
男優の中で一番大きく宣伝されてたのはユアン・マクレガー。そうは言っても今をときめくチャニングやファスベンダーに比べたら見飽きてるし…と思ってたら、マロリーの部屋を訪ねて来る時の登場シーンがかわゆすぎてびっくり(笑)
彼らの死に様もよくて、棒のように寝てるの、こっちに股開いてるの、夕陽の後の迫り来る死、そして死の予感。ネタバレになっちゃうけど、これらを配したポストカードが欲しいなと思った(笑)