三遊亭円丈・白鳥親子会


三遊亭白鳥「公園ラブストーリー(一ツ家ラブストーリー・改)」
三遊亭円丈「バー・タクラマカン(砂漠のバー止まり木・改)」
 (中入)
三遊亭白鳥「真夜中の襲名」
三遊亭円丈「藪椿の陰で」
 (4/25・国立演芸場


落語生活?において、年で一番にこにこしちゃうのが、この親子会。この日も楽しかった。
オープニングトークの内容は、円丈が落語協会の復興支援委員長となったいきさつなど。会場でカンペ付き手拭のオークションでもやってくれたら、私が5千円までなら出すのに(笑)


前半は互いのネタを。前日聴いたばかりの「公園ラブストーリー」、筋が変わって随分すっきりしてたけど、気合も全く違ってた。よく「新作は自分の体験が元」と言うけど、このネタに使われてる、喬太郎とのとあるエピソードには爆笑。
砂漠のバー「止まり木」が「タクラマカン」になった理由は、冒頭のトークによると「ぼくは厳密だから(笑)舞台が日本じゃないので、名前を変えた」。「物の由来に興味がある」という円丈いわく「(白鳥作品の中で)このネタが一番よく出来てるんじゃないかな?」。また枕で白鳥さんについて「真実を真実じゃないふうに、変化球で伝えるのが上手い」と出した一例は、「ずるい」けど作家的な彼のある部分をよく突いてた。肝心の本編は、とにかく歩みがのろい!本人が「ここから本編です」と言うあたりまで、周囲で船を漕ぐ人続出(笑)加えて当然ながら、こんな噺だったっけ?と思わせられるほどしんみりした味わい。悪くなかった。


中入後の白鳥さんは珍しく袴姿で登場。上野動物園にパンダがやってきた話を振ってから「真夜中の襲名」。時事ネタに絡めた「素人じゃねえか!」に爆笑。この噺、私はあまり好きじゃない「明烏・改」と同じジャンルに入れてるんだけど、この日はとくに、終盤の説教めいた部分に行くまでのドライブ感がすごく、めちゃくちゃ面白かった。
ラストは円丈が犬の羽織で「藪椿の陰で」。「古典もありかなと思ったけど、白鳥くんとやるのにそれじゃあ逃げてるみたいだから」。枕で(白鳥さんの直前の高座を受けて)「そういえば昔ずっと、彼に『動物を擬人化するのは落語じゃ無理』と言ってたんだけどねえ。ぼくの犬は喋りません」。この噺、昨年大須演芸場での独演会で「前日失敗した」と盛大に愚痴ってたのが印象的なので、今日はどうかな?と思ってたら、見事クリア。でも他の部分で散々詰まる(笑)それにしても、私も犬は大好きだけど、これは犬好きにしか出来ないよなあ。