悪魔を見た



公開初日、ミラノ1にて観賞。
婚約者を惨殺された男(イ・ビョンホン)が、女を殺し続ける男(チェ・ミンシク)に復讐を試みる。


予告編からブロンソンの復讐ものみたいな話かと思ってたら、冒頭の犯行…というより「暴力」シーンが細かく描かれるあたりから、何か違うなと思わされる。いわゆる「韓国暴力もの」の爽快感は無い。二時間半延々と、チェ・ミンシクイ・ビョンホンのどちらかが暴力を振るっているばかり。次第に飽きてきたけど、終盤には、このうんざりするような長さに意味があるんだと思った。
ラスト、ビョンホンはミンシクに対し「お前の犯した罪の大きさを認めるか?」と語りかける。観ている方は…おそらく彼自身も、そんなこと有り得ないと思う。他人と価値観を共有したり理解し合ったりすることは不可能だが、肉体の苦痛は、例外を除いて万人に共通だ。痛めつければ相手は痛い。暴力の意味がそこにある。


事前に目にした予告編や宣伝では、女性客を呼ぶためか偶々か、「いわゆる」エロ要素を全て抜いてるんだなと思った。女であることの辛さをなすりつけられるような性的描写。しかし映画自体が女を差別しているわけではない。


お馴染み、イ・ビョンホンの上半身ヌードは今回は無し。寒々しい中、常にダウンジャケットを着込んでいる。コートのフードって、ああいう男たちが仕事するのに使うんだなと気付かされた(笑)