昨年を振り返って


昨年劇場観賞した映画の中から、お気に入り10本を、見た順に。


アルバート氏の人生感想)…壊れたボイラーが動き始めるのを合図に、皆が関わり合い、影響を与え合う物語。昨年は「洗濯物を干す場面」が印象的な映画が三つもあった。本作、「死霊館」、「ブランカニエベス」。どれもいい。


▼東ベルリンから来た女(感想)…ベストワンを決めるならこれかな?何とも言えず訴えかけてくる。始め冷淡にも見える主人公のぬくもりを最後に感じる。くまさんの作ってくれるラタトゥユ、次々出てくる乗り物と、私にとっては盛り沢山な一作。最後に流れる「At last I am free」も印象的だった主題歌ナンバーワン。


▼王になった男(感想)…チュ・チャンミンは今最も「期待」させられちゃう監督の一人。本作は、映画そのものも最高だけど、観た環境もよかった。おそらくイ・ビョンホンのファンで満席の中、うんこシーンで生まれた一体感は忘れ難い。


横道世之介感想)…「世之介より6年遅れて上京した私が、一番体験したかった、でも出来なかった『東京』」が描かれてるのも勿論魅力だけど、物語の描写の仕方、終盤の、「謎」をめぐるめくるめく展開も素晴らしい。


シャドー・ダンサー感想)…この感じ、超好み。一昨年からのアンドレア・ライズブローに、これまで幾つかの映画で「この人、なんで出てるんだろ?」と思ってたけど今回はぴったりはまってたクライヴ・オーウェン、相変わらずセクシーなエイダン・ギレン


▼三姉妹 雲南の子(感想)…面白すぎるドキュメンタリー。素晴らしい画の連続。


▼ウィ・アー・ザ・ベスト!(感想)…これだけはどうしても見たくて、映画祭に出向いた。見ながらずっと、胸がどきどきしっぱなしだった。「ウィ・アー・ザ・ベスト!」って最高の言葉はどういう意味か。


眠れる美女感想)…「尊厳死」の賛否を問うわけじゃなく、ものを知る、ものを考えるとはどういうことかという話。


ハンナ・アーレント感想)…ものを考えるという行為、その影響を映像にするということの面白さ。ニューヨーク映画でもある。「アルバート氏の人生」と合わせてジャネット・マクティアの魅力的なこと。


▼楽隊のうさぎ(感想)…ベストテンに中学生の映画が二本も入るなんてなんだかいい。「桐島、部活やめるってよ」があまり楽しめなかった理由の一つは、「男は『ぶさいく』含む色んなタイプがいるのになぜ女は『可愛』コちゃんばっかなの?」だったものだけど、本作、というかこういう映画だと、男も女も「対象」として対等なのがいい。


▼「次点」、というか違う日に選んだらベストテンに入れてたかも、という作品は…「よりよき人生」「リンカーン」「パパの木」「真夏の方程式」「ニューヨーク、恋人たちの2日間」「大統領の料理人」「ビザンチウム」「危険なプロット」「デッドマン・ダウン」「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」。色々見られて楽しかった!